プラダ(PRADA)は、2022年春夏メンズコレクションをオンライン上で発表した。
アート展示施設であるプラダ財団と、イタリア・サルデーニャの独特な風景の中で撮影された今季のコレクション。モデルが赤い壁に囲まれたトンネルを抜けると、目の前に広がるのは開放感に溢れた海。四方を囲まれたトンネルと、陽の光が輝く海辺の対比が指し示すのは、閉塞感から解き放たれた開放感や、制約を受けないことへの喜び、そして、そうした自由さへの希求だ。
ウェアのデザインやスタイルにおいても、自由であることや開放感を求める感情や、プレイフル・ジョイフルな雰囲気が投影されている。象徴的なのは、極端に短い丈のオールインワンやショートパンツだ。短い丈をさらにロールアップすることで、ビーチスタイルのような佇まいに。さらに、タコ・人魚・イカリといった海を思わせるモチーフや、ビーチパラソルのように鮮やかなマルチカラーのストライプをあしらい、遊び心を効かせている。
マイクロ丈のショートパンツは、ニットや花柄のパーカーといったカジュアルなアイテムだけでなく、端正なテーラードジャケットにもコーディネート。ブラックやネイビーといったダークトーンのシックなテーラードジャケットに、あえて幾何学模様のオールインワンを合わせたり、カラフルなシャツとともにショートパンツを合わせたりしている。ジャケットの裾や襟の間からわずかにのぞく鮮やかな色彩は、あたかもトンネルの先に見えるささやかな光のようだ。
ショートパンツがコンパクトな分、ジャケットやコート、ニットといったトップスは比較的ゆったりとした仕立てが採用されている。ジャケットは肩をやや大きめにとり、レースアップデザインのニットには緩やかなドレープが刻まれている。イエローのパテントレザーコートや淡いライトブルーのフード付きコートは、ボクシーなシルエットで空気を含みながら身体を包み込んでいる。
加えて、印象的な小物使いにも注目したい。バケットハットはつばの部分にプラダのトライアングルロゴを象った立体的なポケットを配し、ポケットの三角形に合わせてつばの輪郭も拡張されている。ハットのスリットにサングラスを差し込むようにして固定したルックも目を引いた。
また、ブラックのレザーシューズには立体的な花の装飾を配し、さり気ない華やかさを加えている。バッグは、マチを広くとった立体的なショルダーバッグや、ハンドル部分にファスナーを配した曲線的なフォルムのショルダーバッグ、ワントーンカラーのバニティバッグなどが登場。いずれも、どこかレジャーに向かう時のようなアクティブさや楽しい雰囲気をまとっている。