フェンディ(FENDI)が2013年6月24日、2014年春夏メンズコレクションをイタリア・ミラノで発表した。
会場には砂丘のような砂のランウェイが設置され、砂の丘の上からモデルが降りてくるような演出でショーはスタート。ファーストルックは、ロイヤルブルーのサマーセーターとレンガ色のコットントラウザーの上に、グレーとカーキのリバーシブルコートを羽織ったスタイル。難しい色合わせだが、フェンディらしく上品かつスポーティーにまとまっている。
全体的には、この「上品と軽快の両立」がコレクションを通して貫かれている。ベージュのスーツには、派手なイエローベースのプリントTシャツとスニーカーを合わせることで軽やかな着こなしに。上質なハリ感のあるステンカラーコートは、胸元にアウトドアウエア用のシームテープでU字型のポケットを付けて、ストリート感を演出している。
もちろん贅を尽くしたアイテムも充実していて、エキゾチックレザーとニットのコンビネーションブルゾンや、波模様に見えるパンチングレザージャケット、オーストリッチの半袖レザージャケットは、遠目からでもクオリティ感が伝わってくるものだった。
カラーパレットは、会場の建物と同じレンガ色、ベージュ、ロイヤルブルー、ネイビー、マスタードが軸になっており、メタリックカラーが挿し色として使われている。
演出もユニークで、最後のモデルの後はまた最初のモデルが出てきて、数回それを繰り返して見せるというもの。来場した誰もが間近でショーを見られるこの演出から、ラグジュアリーブランドのポジティブな意味での民主化を感じた。
Text by Kaijiro Masuda (FASHION JOURNALIST)