エイチシー タカシ イトウ(HxCx takashi ito)の2021-22年秋冬コレクションが発表された。
エイチシー タカシ イトウは、デザイナーとしてだけでなく、美容師や経営者としての顔ももつ城戸孝が2019年にスタートさせたブランド。「自由」をコンセプトとし、従来ある“パンクファッション”ではなく、エレガンスが垣間見える新鮮なパンクファッションの提案を志してきた。
2021-22年秋冬コレクションでも「自由」な発想を随所に感じさせるスタイルを展開。デニムジャケットとMA-1のドッキング、まるでトランペットスリーブのように広がる長いカフス、前と後ろがあべこべになったパッチ付きのシャツなどその表現は様々だ。
ディテールに目を光らせれば、ブランドの根底にある“パンク”な要素はきちんと読み取れる。ブロークン加工が施されたトップスやデニムパンツがその好例。クラシックなダブルのコートも、ラペルから前合わせにかけて、あえて始末をしていない、切りっぱなしの手法が組み込まれている。
東京ブランドらしいストリート感とヤングカルチャーのミックスも特徴的。これまでの若者たちのファッションを支えてきた定番アイテムたちを丁寧に、上品に組み合わせている印象だ。ネルシャツやボーダーニット、ロゴ入りのオーバーサイズカーディガンに、ラフなデニムをあわせたスタイルは、若者たちのリアルクローズを眺めるよう。
そこに加えられたクラシカルなモノグラムのショルダーバッグが、ひと際異質な存在であり、若者たちが熱狂するパンクファッションに少しのエレガンスをプラスしている。