パトゥ( Patou) 2021-22年秋冬コレクションが発表された。2020年春夏コレクションで再始動した、新生パトゥの4シーズン目となる今季は、鮮やかな色彩と、ボタニカル模様を組み合わせた大胆なカラーコンビネーションで満ち溢れている。
キーテキスタイルとなるのは、パキッと明るいイエローが目を惹く大柄なボタニカル模様。スカートと合わせたジャケットスタイルは、絵柄の差し色となったターコイズカラーで、パトゥらしいフェミニンなレース襟を鮮やかに染色。もう一方のパンツ×ジャケットスタイルは、黒のインナーが見えるようにラフに着くずすことで、テキスタイルが持つカラフルな表情をより一層高めているのが印象的だ。
こうしたボタニカル模様は、奥深い濃さを持つピンク、ターコイズブルーをアクセントにしたブラック、ロマンティックなラベンダーなど、様々なパレットのプリントで登場。またニットで表現されたラベンダーカラーのピースは、大輪の花びらを広げて咲き誇る、一凛の白い花が主役に選ばれた。
そんな多彩なボタニカル模様と並んで、コレクションの華やかな雰囲気をさらに盛り上げているのが、パトゥらしいボリューミーなシルエットだ。風船のようにふんわり膨らむトップスや、蝶の羽のように拡張されたショルダーを持つドレスといったピースは、黒を基調にしたシンプルな色使いであっても、視線を掴んで離さない唯一無二の存在感を放っている。
また首元や裾にあしらわれた大きなリボンやフリルなど、ドリーミーなディテールも忘れてはいけない。中でも散見されたのは、長い毛足を持つボリューミーな装飾。ピンクのチェック柄ロングコート×黒のボトムスなど、両方のピースにこの装飾を取り入れたスタイリングは、ファッション本来の自由で楽しいスピリットを体現したピースのようにも感じられる。
デザインを引き算するよりも、“加えること”に注力したように感じられる今シーズン。そのスピリットはスタリングにも表れていて、スカート×ロングパンツ、丈が異なるシャツ×ジャケットなど、複数のピースを複雑に重ねたレイヤードスタイルが主流となっている。また毎シーズン注目を集めるパトゥのヘッドピースは、幅広なカチューシャスタイルへと変更した模様。コレクションに溢れるカラフルな色彩に合わせた、多彩なカラーバリエーションを取り揃えている。