2013年3月20日(水)、まとふ(matohu)が2013-14年秋冬コレクションを発表した。テーマは「あはい(あわい)」。間(ま)を意味し、時間や空間における人と人、人やモノとの微妙な関係性の調和を意味している。
デザイナーの堀畑裕之と関口真希子は毎シーズン、日本の目、日本の美意識に着眼してデザインを行っている。今回は、安土桃山時代の絵師・長谷川等伯の代表作である松林図屏風にインスピレーションを受けている。また雪景色に見ることのできる余白の美も、今回の大きなテーマだ。
間が生み出す配置の美、松林図屏風に描かれた朝霧の風景、雪景色に見られる余白の美。そういった、決して華美ではなく、いわゆる真行草といわれる日本独特の美意識を洋服に落とし込んでいる。ワンピースに生地の切り替えによって描かれた柔らかな曲線は、草書のようにさらさらと書かれたかな文字をイメージした。
ちらつく雪を柄や絞りで、スパンコールや箔、ラメ糸によって、積もった雪に陽が当たった光のような輝きを表現している。テキスタイルにおいては、今季は岩手で織られたツイードを採用している。このヘリンボーンは見る位置によって微妙なニュアンスを楽しむことができる。
今回、フェルトのヘッドピースやシルバーのピアスは、ロンドン在住のコンテンポラリーアーティストであるヴァン・アキコに制作を依頼した。