ザ ヴィリディアン(The Viridi-anne)のデザイナーの岡庭智明が手掛ける新ブランド「デュエラム(DUELLUM)」が2020年7月下旬よりローンチ。ザ ヴィリディアンの旗艦店のほか、リフト・エクリュ(LIFT ecru)、ファッシネイト(FASCINATE)などで取り扱う。
「デュエラム」は、ザ ヴィリディアンのデザイナーの岡庭智明が、世界的に活躍するコンテンポラリーダンサー・振付師・演出家、ホアン・クルス(Juan Kruz)のプライベート作品「III(スリー)」で衣装デザイン及び制作を担当したところから着想した。コンセプトには、そこに基づき「人間の中にある二面性が共存することで作られる個性」を掲げており、2つ、またはそれ以上の異なるデザイン(個性)を最後に手作業で繋げ合わせ、1つの新しい個性を生み出すようなデザインを展開していく。
製作過程には、手作業による工程が通常より多く、ジャケットやシャツ、パンツなどのアイテムはハンドステッチによる縫い合わせが見られる。デビューシーズンのアイテムは、ホアンの作品「III」のために製作した舞台衣装をもとに、日常着として着られるデザインにブラッシュアップしている。
ピークドラペルのコートは、耳部分に“DUELLUM”のロゴが織り込まれた無地とストライプの生地と、数種類のデッドストックのスーツ地をパッチワークで繋ぎ合わせることで完成させた。バックセンターはハンドステッチで繋がっている。
シワ加工を施した生成りのタイプライターをライニングに採用し、袖裏は捲った時のアクセントになるようストライプのキュプラに。内側には、着脱可能なハーネスを付属しているので、袖を通さずに背負うことも可能だ。
また、同じ素材でジャケットも展開。ジャケットは、クラシカルな7つボタンのスタンドカラーまたは、モダンなピークドラペルの3つボタンで仕立てている。
スラックスは、裾リブタイプとワイドタイプで用意している。ジャケット&コートと同じ素材を用い、パッチワークとハンドステッチで仕上げた。裾リブのスラックスは、ウエストに平紐が入っているので、イージーパンツのように結んで着用することもできる。一方ワイドスラックスは、前後にタックを多めにとった極太のワイドシルエットだ。
長袖のシャツは、白地とストライプ地をラインナップする。スタンドカラーとショートポイントカラーの2種類のシャツを変則的につなぎわせたようなデザインで、後ろヨークから前身ごろ部分までは二重仕立てになっている。
いずれも1枚のシャツで、4種の異なる生地を使用した。左袖からヨークを通って右袖まで施されたハンドステッチが、「デュエラム」らしさの象徴。