展覧会「フランス絵画の精華ールネ・ユイグのまなざし」が、2020年5月26日(火)から8月16日(日)まで、大阪市立美術館で開催される。
「フランス絵画の精華ールネ・ユイグのまなざし」では、フランス絵画の中で最も華やかとされる、17世紀の古典主義や、18世紀のロココ、19世紀の新古典主義に渡る300年の名品を展示する。本展のために約80点もの展示品が、ヴェルサイユ宮殿美術館や、オルセー美術館、大英博物館など、フランスやイギリスの代表的な美術館から集められた。
まず最初に紹介するのは、17世紀のフランス芸術に多大な影響を及ぼした大様式の形成過程だ。特に、フランス芸術の新しいページを開いたとも言われるシモン・ヴーエやジャック・ブランシャールらの名品を展示し、大様式のはじまりを紹介していく。彼らによってイタリアからフランスへと持ち込まれた、快活で抒情的、そしてバロック的な作品群は、フランス「大様式」の種子となっている。
また、古典主義に最も重要な役割を果たしたとも言われるプッサンの作品にも注目する。彼の活躍で、色彩よりもデッサンを重視する大様式が完成し、彼亡きあと、その作風は王立美術アカデミーを創設する若い画家たちの手本となったと言われる。こうしたフランス古典主義を代表する作品として、《コリオラヌスに哀訴する妻と母》も海を渡って日本へやってくる。
17世紀のフランス古典主義に代わって、18世紀に全盛期を迎えたのが、優雅で装飾的なロココ様式。ジャン=アントワーヌ・ヴァトーは、個人の幸福への願望を描いた最も独創的な画家として知られ、アカデミー様式とは異なる新たなジャンルを切り開いたことから、ロココ美術の創出者のひとりとされる。
その後、ロココ美術は、フランソワ・ブーシェらによって18世紀半ばに最高潮に達するものの、特有の官能性や軽薄さに対する批判がはじまり、再び古典主義的な回帰へと向かうこととなる。本展では、こうした流れを、ロココ様式を代表する画家ジャン=アントワーヌ・ヴァトーの役割に注目しながら辿っていく。
さらに本展では、19世紀に活躍した画家たちの作品にも焦点が当てられる。ロココ芸術を筆頭にした装飾美の強い芸術に対して、否定的な価値観を表した「新古典主義」、そしてその後に登場した「ロマン主義」は、フランス絵画の転機とも言える。
特に今回取り上げるのが、フランス革命や、ナポレオンによる対外戦争などが当時の芸術作品に与えた影響。ジャン=ドミニク・アングルやウジェーヌ・ドラクロワなど、当時を代表する画家たちの名画によって紹介していく。
展覧会「フランス絵画の精華ールネ・ユイグのまなざし」
開催期間:2020年5月26日(火)~8月16日(日)
※ 当初2020年4月11日(土)〜6月14日(日)の会期を予定していたが、開幕日を延期。
会場:大阪市立美術館
住所:大阪市天王寺区茶臼山町1-82(天王寺公園内)
開館時間:9:30〜17:00 ※入館は16:30まで
休館日:月曜日(8月10日は開館)、6月16日(火)、6月17日(水)
※災害などにより臨時で休館となる場合あり。
料金:一般 1,400(1,200)円、高大生 900(700)円
※( )内は20名以上の団体料金
※当面の間、団体での入館は不可。
※中学生以下、障がい者手帳など持参者(介護者1名を含む)は無料(要証明) 。
※大阪市在住の65歳以上の人も一般料金が必要。
※来館の際は公式サイト上の注意事項を確認。
【問い合わせ先】
大阪市総合コールセンター なにわコール
TEL:06-4301-7285(年中無休:8:00〜21:00)