アンティポディウム(ANT!PODiUM) 2013年春夏コレクション。テーマは、"HOW to Affect Robots and Influence People"。人は、まるでアンドロイドの様な完璧な美しさを追求し、美容整形という手段を取る。また一方で、ロボットに人間的な感情を与えようとする奇抜な科学的技術が存在するのも事実だ。この相反する2つのコンセプトをインスピレーションに、全25型の女性型サイボーグを生み出した。
とはいっても、決して奇抜なアイテムで構成されたコレクションではない。スーツ、シャツ、パーティ・ドレス、レザー・ジャケット、白Tシャツなど誰もがワードローブに持っているベーシックなアイテムをセレクトし、それらを上質なテクスチャー使いで新しくよみがえらせた。ウィットな感性で練られたテーマに着やすいアイテムを当てはめるのがアンティポディウムの特色だ。
形状記憶プリーツが施されたスカートや張りのあるメタリック地のドレスなど、シルエットは建築的。ジャケットの袖は、もう一つの腕の様に肩から垂れ下がり、まるで故障してぐらついたロボットのよう。また、ペンシル・スカートのフロントに着いた大きなリボンにはジップがつき、ポーチになっている。
カラーパレットは、新鮮な色合いの中間色が中心。そこにポスト・イット・イエロー、ケミカル・オレンジ、ベリーや戦闘服のカーキを差し色として投入した。
これまでにも何度かクリエイターやブランドとのコラボレーションを重ねてきたアンティポディウム。今回は、2人のトップ・アーティストとタッグを組み、美容整形や建築の表現を試みた。プリントは、イギリス美容整形協会 会長ティム・グッデーカー(Tim Goodacre)に協力を得て、整形前にボディに記す手術マークをモチーフにした。また、革新的で建築的なヘッド・ピースは、ロンドン・オリンピックのパビリオンを手掛けた建築家、ぺル二ラ・オーアシュテット(Pernilla Ohrstedt)とのコラボレーション。髪を細かいくしの歯に引っ掛けることで、人工的な四角い形を作り出している。