ビューティフルピープル(beautiful people)の2019年春夏コレクションが、フランス・パリで2018年10月2日(火)に発表された。テーマは「サイド C」。
“タタン、タタン、タタン…”リズミカルな音とともに幕を開けた、今季のランウェイショー。足早なスピード感のある音色が響くが、装いはナチュラルで優しい印象。オーガニックにこだわったというマテリアルには、ホワイトやサンド、淡いブルーやピンクなど柔らかな色を染めて。染色はワインで行い、塩を縮ませた自然由来の素材。そのナチュラルな風合いをいかしたワンピースが並んでいる。
目を凝らしてみると、どのピースも少し違和感がある。解体と再構築を繰り返して作られているため、ワンピースでありながらジャケットやフーディコート、ブラウスのようにも見え、そして一部分が切れていたり、脇下や腰のラインにスリットが入っていたり、リボンが長くのびていたり…“無意味な”ディテールがあるように見える。
この謎は、全ルックの公開後に解決される。ランウェイに出たピースが4体再登場すると、グレーの羽織りを纏った職人たちが。モデルの前に立つと、ジップを開閉したり、布を織り込んだり、巻き付けたりして、まるで全く違うピースへと変幻させる。
そう、今シーズンの新作は自由自在に変幻するワードローブなのだ。「サイド C」というテーマには、AからCへ、CからBへ…と変換する終わらない可能性の意味を込めたもの。布を内から外へ、前から後ろへ、その反対も…とパズルのように組み合わせていけば、想像以上の新シルエットがそこには出来上がる。
巻き付けていたマテリアルに腕を通すとコートに変幻するドレス。トレンチコートは、腕を通さず腰巻きすることで、反対にドレスへと変化。いくつものステップを踏むことで、何通りもの着こなしができる洋服には、“前に進み新しいものを生み出したい”という強い想いが込められている。