コモン スウェーデン(CMMN SWDN)の2019年春夏コレクションが、2018年6月19日(火)にフランス・パリで発表された。
ものの溢れる現代に、膨大なゴミの山。今シーズンのコモンスウェーデンは、過剰消費の問題について言及している。
ファーストルックからラストまで続いた、肌色ベースのメッシュトップスは今季の題材をもっとも表現している。アップリケのようにニットの破片を貼り付けてみたり、まるでタトゥーのように広告のプリントを配してみたり。捨てられた服が蘇り、ノージェンダーなムードを高めるのに一役買っているみたいだ。
そこに重なっていく、シースルーのシャツは、おそらく通常の布帛で作ればフォーマルなストライプなのだが、今回は素材がオーガンザで柔らかな印象。タイトなメッシュトップスとは対照的に身体との間に空気をはらむ。どこかケミカルな雰囲気は留まることなく、メッシュ素材やPVC素材など、インダストリアルかつ軽やかなファブリックでトップスは構成されていく。
一方でアウター類はアナログな素材が多く、時折登場したオーセンティックなジャケットへの素材の癖づけはない。しかし、カフス部分から肘あたりまでが開いていて、透明感のあるトップスと同じく軽快なエッセンスが生まれている。一方で、モーターサイクルジャケットは、レザーだけでなくグレンチェックなどのクラシックな素材も織り交ぜたパッチワーク状だ。トップスやシャツとは真逆のタフさがある。
ボトムスにはレザーやデニムなどを含む硬質的な素材を主にセレクト。持ち出し周辺のみ素材を切り替えたユニークなデザインも登場している。前述したモータージャケットは単体でもそうだが、コントラストがはっきりと読み取れる素材感は、あらゆるものが共存しているも現代にも通ずるものがある。
足元にフォーカスすると、スニーカーや革靴が提案されているのだが、すべてがつぎはぎされたデザインで、いわば“ボロボロ”のデザインなのだ。でもきっと元は誰かが愛した衣服だったからか、不思議と愛着が沸く温かみさえ感じられる。