コンバース(CONVERSE)のハイエンドのフットウェアライン、アヴァン コンバース(AVANT CONVERSE)の2018年春夏コレクションのショーが、東京・新宿のロボットレストランにて開催された。
ランバン(LANVIN)の前アーティスティック ディレクターであるアルベール・エルバスが手掛けるアヴァン コンバースのラストコレクションとなる今シーズン。鍵となるのは、“メリメロ”=ごちゃ混ぜ感。都会的でありながらエレガント、モダンでフェミニン、職人技とオリジナリティ、官能性とクリエイティビティ、クールなのに面白いなど、様々な要素がコレクションの中に詰め込まれている。
「SUPER縁日」と題した今回のショー会場には、その名の通りアヴァン コンバースのシューズを並べた屋台が並び、祭のごとく賑やかな雰囲気。新宿・歌舞伎町という土地や、ロボットレストランの過剰なまでに飾り付けられた内装がさらに賑やかさを助長する。
ショーはアルベール・エルバスのメッセージで幕を開ける。「次第にグレーになりつつある世界にちょっぴりカラーを加えてあげることって必要なのではないでしょうか?コンバースならば歩くこともダンスすることも、そして飛ぶこともできますよ。」
示唆的なメッセージに続いて始まったのは、ネオンやレーザーライトで照らされたロボットとマスクをつけたダンサーのダンス。アップテンポなポップスで繰り広げられるロボット達のダンスショーにあっけにとられていると、煌びやかな車に乗ったモデル達が登場。
目を惹いたのは、あえて子供のようなあどけなさを装うことによって生まれる混沌とした空気感だ。キルティングジャケットには、幼児向けのキャラクターを連想させるアニメ調にデフォルメされた動物達のプリントが並ぶ。
テーラードジャケットには短い丈のショートパンツをスタイリング。ギャザーを幾重にも寄せふわりとしたシルエットを形作るホワイトのプルオーバーや、同じくホワイトのペプラムスカートもまた、無垢な可愛らしさを主張する。髪飾りはまるでおもちゃの山のようだ。
そういったあどけなさの象徴は、足元を飾るメタリックレザーや上品な質感のレザーで形作られたラグジュアリーなスニーカー達と摩擦しながらも、カオスなムードを楽しむがごとく共存していく。
メッシュ素材などにダイナミックにアヴァン コンバースのディテールをプリントしたルックも強いインパクトを残す。ソールの裏面や、アッパーのライン部分を切り取ったプリントなど、上から見たスニーカーなど、スニーカーの様々なパーツ、カラーで服が構成されている。服は身体を無視したようにランダムなパターンで構成され、大胆なシルエットを描き出す。
透け感のあるオーガンジーのレイヤードスカートや、前面がビニールでできたトレンチコートなどによって、透明感や官能性を表したかと思えば、アクオド バイ チャヌ(ACUOD by CHANU)による、ストリートテイストの金属質なライダースジャケットや、ゴールドジャカードのブルゾンなどでハードなイメージも表現し、雑多で華やかなショーが繰り広げられた。膨大な情報量の、まさに“ごちゃ混ぜ”な世界に、フィナーレには大きな歓声が上がっていた。