ディオール(Dior)は、2017年春夏オートクチュールコレクションを2017年4月19日(水)に東京で披露。会場となったのは、コレクション発表翌日4月20日(木)に、世界最大級の旗艦店「ハウス オブ ディオール ギンザ」をオープンする、銀座の新商業施設「ギンザ シックス」の屋上だ。
ディオールにとって、メゾン初の女性アーティスティック ディレクター、マリア・グラツィア・キウリ。彼女にとって初めてのオートクチュールコレクションとなった、2017年春夏コレクションは、「迷宮」がテーマ。伝統と歴史あるメゾンの中に足を踏み入れ、オートクチュールという新しいチャレンジに励む自身の姿をこの題目に投影させたという。時を超え、国境を越え、新たに発表される2017年春夏オートクチュールコレクションは、舞台が屋上ということもあり、夜の銀座に”天空の迷宮”を呼び寄せることとなった。
「迷宮」と耳にすれば、物語的な世界にイマジネーションを膨らませがちだが、マリアのスタートは実直だ。始まりは、丸みのあるカッティング、ボトムスのフレアな広がりで女性らしさを加えた、現代版タキシード、2ピース。続くのは、キャンバスを大きく広げたロングドレスで、植物のモチーフを散りばめ、ブルー・ピンク・イエローといったパウダリーカラーを振り掛け、男性性を打ち消し、幻想的な世界へとゆっくりと誘っていく。
キー素材は、オーガンザなど透け感のあるもの。レースはほどかれオーガンザの上に広がり、チュールはプリーツ加工により一層豊かな表情となる。レースの上に花をその上にさらにオーガンザを。まるで春の空気までをも閉じ込めたかのように、鮮やかな花々が透明感のある世界に息をひそめている。続くのは占いの世界。ムッシュも好んだというタロットのモチーフが金刺繍で浮かび上がり、ドレスの上で新しいディオールのストーリーを広げていく。
東京へと場所を移して、新しくなったのは、日本のために制作された9体のルック。これらのルックは、1953年に登場したクリスチャン・ディオールによる「ジャルダン ジャポネ(日本庭園)」のドレスに着想を得ている。
桜の見頃からは数日離れてしまった東京であるが、ドレスの上で再び満開の和花が咲いている。ほんのり薄化粧したかのようなピンクの花々がドレスにのり、ジャケットから顔を出し、コートの上で舞い踊る。モデルには、松岡モナ、 萬波ユカと世界で活躍する日本勢が並び、舞台が東京であることにますます喜びをもたらしていく。
この「ジャルダン ジャポネ(日本庭園)」からのインスピレーションは、今回のオートクチュールコレクションだけでなく、カプセルコレクションへも展開。バッグ、プレタポルテ、テキスタイルなど が「ハウス オブ ディオール」の限定として発売される。