モスキーノ(MOSCHINO)の2017-18年秋冬ウィメンズコレクションが、ミラノ・ファッションウィーク2日目の2017年2月23日(木)に発表された。
毎シーズン異なるテーマと演出で、アミューズメントパークさながらの驚きと興奮を届けてくれるジェレミー・スコット率いるモスキーノ。2017年春夏シーズンは、ペーパードールをモチーフに、2次元のだまし絵にあえて表現を留めることで、ファッション業界への強いメッセージと痛快な娯楽を観客へ届けていた。
ジェレミーは引き続き、皆に向けてメッセージを打ち出している―Couture is an attitude&It's not a price point。この魂を具現化させたのは、本来ファッションから遠い存在、日の目を見ないゴミたちだ。洋服を梱包するはずの段ボールやプチプチ(空気の入った透明ビニール)モチーフの素材をビニールテープ風ディテールで留めて、レディトゥウェアへと昇華させる。しかしデザインはクラシックで、2ピースのスーツやドレス、トレンチコートなどが打ち出されている。
インスピレーションの名残を残すのは、あちらこちらに散りばめらたリサイクルのロゴや割れ物注意のマーク、注意(CAUTION)のタグなど。途中からはアドビジュアルを想起させる、ロゴ入りカラフルペーパーをベースに。日本語で記された”秋冬コレクション”の文字やブランドロゴ、モスキーノ ベアが描かれたカラフルなパーツを組み合わせて洋服へと構築。序盤に比べて、ニーハイブーツやショート丈ブルゾンといったアグレッシブな雰囲気へとスタイルも変わっていく。
音楽の転調とともに現れたのは、モスキーノナイトを彩るモデル・アンナ・クリーブランドだ。ステージ中央の金色フリンジ付きレッドカーテンを引っ張り引っ張り……なんと衣裳へ転身させてランウェイに登場。
そこからは、コメディショーでも見ているかのような、スピーディーで劇的な展開で、ハンガーとクリーニング後のビニールラッピングを模したドレスや、レジ袋風ワンピース。紙ごみや空きボトルをコラージュしたドレスが行進。ゴミバケツのふたや車輪はヘッドドレスとなり、トイレットペーパーは帽子へ。サイズ違いのショップバッグもテープで繋ぎ合わせればニューバッグへと早変わりしている。