トリー バーチ(TORY BURCH)の2017-18年秋冬コレクションが、アメリカ・ニューヨークで発表された。
映画『フィラデルフィア物語』の中で、キャサリン・ヘップバーンが演じる大胆不敵で傲慢なキャラクターがインスピレーション源。魅惑的な外見と自信にあふれた女性らしさが、トリー・バーチ本人のルーツであるフィラデルフィアで馴染みのあるスタイルとが溶け合い、現代的に解釈された。
映画の中の世界を書き出したような渋みのある色使いと、可憐ながらも力強い花柄、時折ディテールから漂うマスキュリンなムードがミックス。少しゆとりのあるパンツやスポーティなボンバージャケットなどを使いながら、コーディネートにはプリーツスカートを合わせフェミニンな要素を忘れないなど、遊びの中にも知性や理性が漂っている。
カラーだけでなく、柄や素材感にもクラシカルな気配をもたらした。プレイドチェックは、ウールからシリング、ルーレックスヤーンとシルクの刺繍に至るまで、様々な方法で表現されている。その他、ノスタルジックな印象を与えるフェアアイルやエドガー・ドガの作品を参考にしたバレリーナプリントなどもワードローブをより豊かにしている。
コレクションをグッと押し上げているアクセサリーにも柄や素材感は統一。ギリシャ領のイタキ島をイメージしたプリントのブリーフケースはトリー一族の歴史に捧げるオマージュであり、繊細なイヤリングやインダストリアルなイヤリングは、コレクションを締めくくるにふさわしい存在だった。