福岡を活動拠点にしている新進気鋭・若手3ブランドの合同ファッションショー『Revo×Labo Fukuoka』が2017年2月11日(土)に開催された。
会場となったのは、九州の玄関口といっても過言ではない福岡・博多の地で、ファッション業界の展示会場として多く利用されてきた福岡ファッションビル。当日は「デコード」、「またどまーじゅ」、「和洋折衷」の3ブランドが、ビルの1階全体を使用する珍しい形式のショーを披露した。
デコード(DE:CODE)は、アニメ、ロック、スケートボードなどのカルチャーから影響を受けた独自の世界観を持ちながら“デニム”という生地を駆使し、多数のリメイクアイテムを展開。「ミリタリー×アニメ」をインスピレーション源に、コレクションを発表した。
特徴的なのは、やはりデコードが得意とするデニムのパッチワーク、切り返しなどのリメイク技だろう。デニム生地は、ジャケットやスカートに限らず、シューズやお面、そしてモデルに引き摺られて現われた骸骨にも使用されており、大きなインパクトを与えた。
また、アニメという要素は、キャッチーなモチーフである“うさ耳”として表現されていた。だが、よく見るとデニムが張り合わされた“角の生えたお面”や、耳が付いた“ゴーグル付きバイク ヘルメット”も登場し、遊び心をきかせている。
ちなみに、デニムの余った生地は生産工程で一切処分されることはない。溜まった切れ端は、パッチワークで再利用されたり、マスクのパーツになったりと、必ずどこかで生きてくる。
デザイナーの山田は「僕は古いジーンズのお尻の部分が破けて、それをリペアした跡の布の付け足しがとても好きなんです。コレクションを作る上では、1つも素材は無駄にはしたくないと思っています」とコメントするように、1つ1つ丹念に制作されたアイテムが印象的であった。
和洋折衷(wayousechu)は一点一点を手作業で制作する異色のリメイクアイテムを発表した。
インスピレーション源は、「東京に出た時に、ストリートから感じるもの」。世界の流行りが、早い段階で反映される東京の街を歩きながら、コレクションの制作のヒントを見つけている。しかし、和洋折衷は、ストリートの流行を追うのではなく、それに対して皮肉にも値する疑問符をコレクションで投げかけた。
デザイナーの小西が「よく見かけたのは“オフショルダー”や“ロングスリーブ”。」とコメントしたように、今季はその要素が、彼のアイロニーとユーモアを交えながら、コレクションで表現された。アイロニーは、アイテム一つ一つに見て取れる“歪み”・“複雑な再構築”から感じとることができる。例えば、原宿で特に見る機会が多くなったロングスリーブのTシャツは、古着を素材に使用しながら、もとあったロゴは反転させられ、様々に切り返しが施されてある。
素材はジャージをメインに据えている。というよりも、もともとジャージであったものを解体・再構築し、新たなシルエットに仕立てている。スポーティーなイメージのジャージに、セーラーカラーをドッキングさせているのは、和洋折衷ならではの発想だ。
またどまーじゅ(martadomarjue)のコレクションのテーマは「超平和」だ。ファーストルックには、「へいわ」とペイントされたカットソーを着用したカジュアルなおじさんが登場し、そのテーマ性を強調した。