レッド ヴァレンティノ(REDValentino)の2017年プレフォールコレクションは、アメリカ・ニューヨークの「ホテル・チェルシー(Hotel Chelsea)」がテーマ。
”伝説のホテル”との愛称を持つこのホテルは、その名に相応しく多くの芸術家、著名人が集った。シド・ヴィシャス、ボブ・ディラン、イギー・ポップ…など、今なお色褪せることなく、その名声が受け継がれている人物たち。彼らの思い出を記録したフォトダイアリーをめくるように、レッド ヴァレンティノの今シーズンはスタートする。
ゴールド刺繍のナポレオンジャケット、肌を大きく露出したブラトップ、シースルー素材のセクシードレス、ハードなバイカージャケット。60年代から80年代にかけてのエッセンスを投影した一つ一つのピースは、舞台へ上がるときの衣装のように強い個性を放つ。レッド ヴァレンティノにとって珍しいタキシードは、パティ・スミスの輝きを象るように存在し、どこかノスタルジックな思いも運ぶ。
スターの象徴・星のモチーフは、シフォンドレスにプリントで、デニムオールインワンの上にパッチワークで、ハーフスリーブニットにラメ加工で…と手法も様々に描かれていく。少しシワの入ったミニドレスは、ロックスターの彼女の持ち物をイメージして。恋人に付いていった旅先、トランクを開けるとドレスは”しわくちゃ”。でもそのまま纏ってライブへ出かける、そんなおてんばな女の子の姿を表現した。
リブニット、エアリーなドレス、丸襟のコート。ストライプに、花模様、ハート柄。ルールにとらわれず集められた要素たちは、アンバランスな集合体。しかし、それは時代を象徴するミュージシャンたちの集いのようで、人を魅了する大きな力を持っている。