08サーカス(08sircus)が、2017年春夏ウィメンズコレクションを発表した。
シック、ミニマム。08サーカスと聞けば、こういったフレーズが思い浮かぶだろう。しかし今季、デザイナーの森下公則は、少し違った方向を見ているようだ。
シーズンパレットには、鮮烈なレッド・イエロー・グリーンが選ばれ、本来ノスタルジックであるはずのシノワズリープリントは、どこか毒っ気のある表情に変わっている。
着こなしも、奔放ともいえるほど大胆。ロングワンピースの下にプリーツスカートを忍ばせ、ガウチョスカートの上には、薄手のワンピースとアシンメトリーなトップスを重ねた。柄と柄が交差し、マットな質感×上品な光沢といった具合に異なるテクスチャー同士が共鳴する。それらが相まって生まれるのは、独特の強さをもったムード。
しかし、このロックな世界観だからこそ活きる美しさがある。ロングワンピースの胸元に配されたフリル、ウエスト周りを絞るドローイング、ふんわりと広がるパフスリーブといった、女性らしさを象徴するディテールだ。あえて相反する世界に溶け込ませることで、フェミニニティがより価値の高いものへと昇華する。
ファブリックは、これまで同様にとことん上質なものを。生地に塩縮といった加工を施すことで生まれた、凹凸感のある二重織コットン。色彩の鮮やかさを引き立てるシルクタフタ。さらに、程よい反発感とドレープ性を感じさせるサテン、渋みのある色合いのキュプラ綿も仲間に加えた。