アンドワンダー(and wander)の2016-17年秋冬コレクション。ファッションショーとは一線を画した、真っ暗闇でアイテムを披露したアンドワンダー。中央に鎮座するプラネタリウムから放たれる光が、都会のど真ん中に満天の星空を描き出した。
雨や風、極寒の中でも山を楽しめる服装を紹介。ボアコートの中にダウンジャケットをレイヤードしたもの、ナイロンを用い撥水性に特化させたパンツ、寒暖差に対応するべく、ジッパーの開閉で通気性を確保させたジャケット……。たくさんの海外アウトドアブランドからも引っ張りだこの、日本の合成繊維を用い、より優れたワードローブを展開した。
暗闇でのインスタレーションということもあり、会場ではカメラのフラッシュがちらほら瞬いていた。それを反射していたのが、洋服に取り付けられた、工事現場などの作業服などにも用いられている再帰反射材。夜の山では、視認性がとても重要。実際のニーズに即したデザインが盛り込まれている。
今回のインスタレーションをきっかけに、山に行ってみたいと思ってもらえると嬉しいとデザイナーの森美穂子。ファッションウィークという“祭典”を通じて、アウトドアへの門戸が開かれる日は、もうすぐそこに来ている。