シアタープロダクツ(THEATRE PRODUCTS)の2016-17年秋冬コレクションが、2016年3月17日(木)、東京・渋谷ヒカリエで発表された。
“UNNATURAL”-月への身支度-をテーマに、ワードローブを展開した今シーズン。80年代に憧れを抱いていた宇宙のイメージ、それも現実からは程遠いような愛くるしいイメージをインスピレーション源に、人工物と自然物の間に生じる出来事を洋服で表現した。
アーティスト・TUCKERによる一人即興演奏が会場を揺らす。人間があらゆる道具を駆使したくさんの音を奏でる様子が、テーマを聴覚から伝達してくるような感覚を抱く。ファーストルックを飾ったのは、顔を覆うように着こなされたフェイクレザーのコート。まるで生き物がうねるように、体に密着したアイテムの仰々しさに目を奪われた。
その後も、自然と不自然の共鳴から生まれる未来的なフォルムが次々とランウェイに出現する。カメリアのピアスや2匹のリアルフォックス、クロコダイルとビニールの切り替えが印象的なベルトやアンクルレット……。質感をミックスさせることで生じる違和感は、観衆を異世界へと誘い、そこは本当に宇宙ではないかと錯覚するようなワクワク感が会場を包んでいた。
テーマの「月への身支度」を象徴するように、“月に行くためのアイテム”も散見。宇宙食のパッケージをイメージした“ビーフカリーのバッグ”、小さなバッグが大きなバッグに入ったシリーズ、ロケットカプセルの形をしたフェイクレザーのパイピングバッグ。これらの他にも探せば探すほど宇宙への期待が迸る小物が披露された。これで、月への身支度はバッチリだ。