フィロソフィ ディ ロレンツォ セラフィニ(PHILOSOPHY di Lorenzo Serafini)の2016-17年秋冬ウィメンズコレクションが、ミラノ・ファッション・ウィーク4日目の2016年2月27日(土)に発表された。
会場はミラノ大学。校内の大階段を大きく使ったドラマティックな演出は、今季のフィロソフィ ディ ロレンツォ セラフィニの大きな特徴である。ショーがスタートすると、階段上の扉が開き、モデルは前へ。彼女に向けて無数のスポットが向けられ、ピンク色の絨毯を敷いた大階段を一つまた一つ、ゆっくりと歩みを進める。その様子は、映画祭または社交界さながらのもので、とても優雅である。
コレクションピースも同様に華々しい。ベースとなるのはクラッシックなスタイルで、ウエスト部分にギャザーを寄せたり、細やかなプリーツを配したりして、女性らしいドレスを創り出している。フリルはふんだんに用いられ、時に胸元に時に袖口に。たっぷりと余すところなくあしらわれている。
襟付ドレスは、首周りにリボンを添えて、甘さを忘れず知的に。ロングドレスは、下からミニスカートを透かしたオリジナルのスタイリングを提案して、観る者に飽きを感じさせない。
デリケートなレースやシフォンに組み合わせたのは、レザーやニット。興味深いのは、それらの個性をどこかに葬り、柔らかなファブリック同様にアレンジしていること。レザーコートの肩周りには波打つようにフリルが顔を出し、ニットのワンショルダートップスは肩から胸元にかけて麗らかにウェーブを描いている。また、厚手のツイードも、きゅきゅっとまとめてひだをつくり、ふんわりとしたシルエットを形作っている。
洋服だけでなく、アクセサリーもポイント。ソフトな印象のウェアなので、黒リボンのベルトやブレスレットはスパイスになる。また、同じリボンで髪飾りを、一方で一粒パールが耳元を彩り、小物でもフェミニンな刺激を加えている。