ジュン アシダ(jun ashida)が2016年春夏コレクションを2015年10月27日(火)、グランド ハイアット 東京にて発表した。
昨年は、2013年10月のメゾン設立50周年記念の展覧会を開催したジュン アシダ。今季は、その展覧会でも紹介されたダンサー・TAKAHIROとのコラボレーションを披露した。彼が身に着けていたのは、ブランドのオリジナルアイテム「コンパス」。軽くショールのように羽織ったり、くるりと体に巻き付けたりできるドーナツ形のストールだ。
TAKAHIROのダンスパフォーマンスは、一瞬で会場の空気を変えた。「コンパス」は彼が動くたびにひらひら、くるくると靡く。これからどんなショーが始まるのかと、期待させる演出であった。
ファーストルックから立て続けに登場したのは、ピンクやブルーなどのライトなカラーのワンピース。ポイントにはボタンが使われていた。シンプルなラインのワンピースに、タックではなくボタンを用いてウエストを強調。また、裾をきゅっと絞るコクーンシルエットも、裾のボタンを留めることで完成する仕組みだ。
フォーマルスタイルやカジュアルスタイルへのフリルの合わせ方も印象的であった。フリルやラッフルは、首元を華やかに魅せ、時には体のラインに沿ってセクシーにあしらわれた。さらに、そこに合わせられたのは、アートピースのような大ぶりのアクセサリーたち。首元、手元、そして耳元で揺れ、煌めいて服を盛り立てた。
終盤には今までのボタンを使用したルックとは一味違い、切なささえ感じられるような繊細さのあるスタイルをみせた。光沢のある生地にレースを重ねたトップと、アコーディオンプリーツを用いたボリュームあるスカートのビスチェドレスや、グラフィカルな模様に、幾枚にも合わせたチュールの「コンパス」を施したイブニングドレスもあった。抑えた色調の艶やかな素材、スパングルのエンブロイダリーなど、センシティブな要素を加えてエレガンスを完成させていた。