ヒガ(Higa)の2016年春夏コレクションが、2015年10月15日(木)に東京・渋谷ヒカリエで発表された。ブランド名をカヴァー(COVER)から、デザイナー自身の名前に変えて初となる今シーズンは、都会的なスタイルの中に、ブランドの拠点となる沖縄の自然を取り入れたコレクションを披露した。
コレクションの中で特筆すべきは、琉球染めを用いたドレスやワンピース、Tシャツなどのアイテム。沖縄独持の伝統手法で、時間をかけて最高10回は染めたという。産地と手法にこだわりを持って生まれた濃いインディゴブルーは、美しい沖縄の海を感じさせる、吸い込まれるような深みを帯びている。また沖縄への愛は染め方だけに留まらず、ガジュマルの樹皮をイメージしたプリントや、プルゲンベリアの花柄など、明るくポップな開放感も表現されている。
自然を感じさせる手法や柄とは対照的に、アイテムは都会的そのもの。シンプルで鋭いカッティングのスカートやドレスの裾にタックを入れることで、動きのあるシルエットを構築したり、ミリタリーテイストのエポーレットやポケットをつけたり、パンツやテーラードジャケットを披露したりと、モダンなディテール、パターン、カッティングが特徴的だ。
また素材は、コットンやシルクを中心に使用。ハイブリッドな素材使いも見せることで、よりシティライクな印象を与える、加えて、カラーパレットもプリント以外はインディゴブルーとブラックがメイン。暗めの色合いでシックな面持ちだ。ラストは沖縄の海をイメージしたライティングの中、再度藍染めのアイテムを披露。「東京の都会」と「沖縄の自然」を織り交ぜたデザイナー比嘉 一成は、自分の名前で世界へ、東京へ勝負をかける意気込みを今シーズンで体現した。