ファクトタム(FACTOTUM)の2016年春夏コレクションが、2015年10月13日(火)に東京・新宿の東京モード学園コクーンタワーで発表された。「LAYERED(レイヤード)」と題された今シーズンは、詩人・山尾山省からインスパイアされた、複雑な重ね着を構築するスタイルを披露。
レイヤードという題名をつけた通り、見るものを惑わすような重ね着コーディネートが魅力的。中でも同色をレイヤードしたスタイルは、一見しただけでは一体何枚重ねているのか、どんなアイテムを挟んでいるのか、など疑問に思ってしまう複雑さを見せる。
また、繊細なカッティングで、アイテムごとに胸の開きや襟の加減を変えることで、首元の奥行きを表現。さらにはアイテム毎に袖丈やバックスタイルの長さを変えることで、前から見た時、横から見た時、後ろから見た時と、角度によってレイヤードの雰囲気や見えるアイテムが異なり、計算され尽くした作りが伺える。
また、山尾のアミニズムの考え方に共感した、自然物へのこだわりも。天然染料での染めや、天然素材の綿や絹、麻を使い、素朴なカラーパレットと質感を構成する。さらに和風柄や、ハンドクラフト感を残した機械刺繍を加えることで、肩の力を抜いた雰囲気に。ゆったりとしたシルエットも相まって、日本の気取らないかっこよさをイメージさせる。
最後に印象的なアクセサリーも紹介。今シーズンはパンツやコートのベルトをリボンに置き変えることで、リラックスした見た目を演出する。さらにシューズは、サンダルとスニーカー、エナメルシューズを展開。履きやすさと機能性にこだわった、スポーティな表情を見せていた。