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ジョウタロウ サイトウ(JOTARO SAITO)の2015-16年秋冬コレクションが、2015年3月19日(木)に渋谷・ヒカリエで発表された。今シーズンのテーマは「ダーク・フェアリーテイル」。大人のグリム童話の世界へと見るものを誘った。
ショーはロックなミュージックとともにスタート。どこか不敵な笑みを浮かべたモデルが印象的だ。伝統の技法や技術に裏付けされた、美しい着物の数々。しかし、ただ伝統的なだけではない。グラフィカルに宇宙やボタニカル、幾何学の模様があしらわれていたり、チェック柄のマフラーを合わせたり、光沢のあるコートを羽織ったりと、現代的なエッセンスを多く取り入れている。
極め付けは、フードを付けた着物。スポーティな雰囲気を纏い、斬新なインパクトを観客に与えた。このアクティブで機能的なディテールは星のワッペンがついた足袋にも生かされており、ただの白いものではなく、3Dメッシュの素材で作られている。
また、着物の裏地にも注目。グリーンやイエロー、ブルーといった派手で鮮やかな色を裏地に使い、歩くたびに見え隠れする。表の落ち着いた色合いと対照的にエキゾチックな印象だ。
ラストはロンドン・グラマーの曲「Night Call」とともに、美しくも妖艶さを醸す着物のモデルが現れて幕を閉じたショー。終始、和の音楽ではなく、現代的なBGMが用いられた。洋服が日々新たに革新され、変わっていくように、日本の着物も変わっていく。しかしそれは、ただ新しいものを生み出すのではなく、誇りをかけた伝統が支える“進化”だということを感じさせられた。
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