2015年3月16日(月)、イイザ ローン(IISER LOEN)の2015-16年秋冬コレクションが、東京・渋谷ヒカリエで発表された。昨シーズン、コレクションデビューを果たしたブランド。2回目となる今回も、デザイナー手塚浩二の“僕の着たいもの、僕の体型にあったもの”というコンセプトに沿ったリアルクローズを提案した。

真っ暗な会場に、ほのかな光が灯されている。シャンデリア型ライトの下を駆け抜けるように、足早に駆けていくモデルたち。観客に服をみせる隙を与えないように見えて、それは洋服の着心地のよさや機能性を体現している演出のようにも感じさせる。

ブラックをベースに、ブルーやレッドなどを採り入れ、ロングコートやスリムパンツといったベーシックなアイテムを中心に展開。そこに、長年ニットに携わっていた手塚ならではの、遊び心あふれるアイテムを加えていく。例えば、重ね着したようなタートルネックニット、着物のように巻き付けるタイプのカーディガン、ボーダーとストライプを組み合わせプルオーバーなど。デザインへのユニークなアプローチはジャケットでも見られ、レオパード柄のレザ―ジャケットやライトダース型のキルティングダウンも揃った。

小物使いもポイントで、ストールをぐるっと巻いたり、サングラスをあわせたりと、すぐに採り入れられそうなテクニックが続く。中でもホワイトソールのスニーカーの合わせたスタイルは、ハードな印象になりがちのレザ―パンツや、かっちりとしたテーラードジャケットなどをカジュアルダウンさせており、注目したい着こなしだ。

昨シーズンは、ビジネスシーンに着用できるものにフォーカスを置いた。そこから得た反省を活かし、今季はよりカジュアルで夜のシーンにも添うようなエネルギーのあるアイテムを増やしたという。しかし、あくまでタイトなシルエットを保持すること、また自分が着たいものを創りつづけることを崩さない姿勢からは、手塚の洋服つくり、またブランドの進むべき道に対する強い思いを感じさせた。