ボッテガ・ヴェネタ(BOTTEGA VENETA)が、2014年9月20日(土)に2015年春夏コレクションをミラノで発表した。
トーマス・マイヤー(Tomas Maier)が思い描いた今季の女性像は、ダンサー。しかしフォーカスしたのは、彼女たちが舞台で踊る姿ではなく、これから始まるリハーサルに向かう途中の様子だ。「美しい姿勢の女性が、優雅に腕を振りながら歩く姿にインスピレーションを受けました」と、マイヤーはコメントしている。
ファーストルックを飾ったのは、アンダーウェアのようなレオタードに、ゆったりとしたロングニットをさらりと羽織るエディ・キャンベル。力の抜けた装いで大きなイントレチャートバッグを片手に歩く姿。それはまさに華やかなダンサーたちの、素顔の一面だ。シャツとカーディガンがドッキングしたトップス、ガウンのようなトレンチコート、大きなリボンがアクセントになったスポーティなフーディなど、彼女たちの個性は様々な装いで表現されるが、一貫しているのはすべてリラクシングであること。
ビジューの装飾、タックやギャザーの生地使い……。中盤からはディテールに拘ったドレスルックが展開されるが、どれも美しい統一感をなしているのは、厳選されたカラーパレットが理由である。限りなく白に近いペールグレー、サンド、ネイビーで明暗に差をつけ、そしてバナナイエローやスカイブルーが爽やかなアクセントとして取り入れられた。ほとんどのドレスはひざ下丈で、落ち着いた印象にまとまっているが、アシンメトリーなヘムラインのデニムドレス、たっぷりフレアのギンガムチェックドレスなど、揺れ動くスカートはドラマティック。
ラストは、デコレーションの煌めきが増したドレスやスカートが披露される。シースルーにスパンコールをあしらい、華を添えたスタイルも、足元はTストラップのフラットシューズで、気取らないエレガンスを提案。ダンサーたちのしなやかな体の動きに寄り添うような、自然体の美しさが表現されたコレクションであった。