ノーベル⽂学賞受賞作家 カズオ・イシグロのデビュー作「遠い⼭なみの光」が、広瀬すずを主演に迎えて映画化。映画『遠い山なみの光』が、2025年夏に全国公開される。
2017年に長編小説「日の名残り」でノーベル⽂学賞を受賞したカズオ・イシグロ。その著作は50カ国語以上に翻訳され、世界各国で多数の賞を獲得、特に高い評価を得た「日の名残り」と「わたしを離さないで」は映画化もされた。また、脚本家としても活動を広げ、黒澤明の代表作『生きる』をリメイクした映画『生きる LIVING』の脚本では、アカデミー賞にノミネートされた経験を持つ。
今回映画化される「遠い⼭なみの光」は、自身の出⽣地である⻑崎を舞台に描いた、カズオ・イシグロのデビュー作。物語は、⽇本⼈の⺟とイギリス⼈の⽗を持ち、ロンドンで暮らすニキが、母・悦子が暮らす実家を訪れたところから始まる。
悦⼦は、⻑崎で原爆を経験した後にイギリスへ渡っていたが、ニキは⺟の過去について何も知らなかった。しかし悦子は、ニキと数⽇間を共にするうちに、最近よく⾒るというある不思議な「夢」について語り始める。1980年代のイギリスと、戦後間もない1950年代の⻑崎。時代と場所を超えて交錯する“記憶”の秘密を紐解くヒューマンミステリーだ。
主人公の悦子を演じるのは、映画『流浪の月』や『キリエの歌』、『ゆきてかへらぬ』など、圧倒的な演技力と存在感で活躍し続ける広瀬すず。
監督・脚本・編集を務めるのは、⽯川慶。2017年の映画『愚行録』でデビューした石川は、以降『蜜蜂と遠雷』や『ある男』などを手がけ、確かな評価を得ている。
⽇本⼈の⺟とイギリス⼈の⽗を持ち、ロンドンで暮らすニキ。⼤学を中退し作家を⽬指す彼⼥は、⾃著執筆のため、異⽗姉の死以来⾜が遠のいていた、⺟が1⼈で暮らす郊外の実家を訪れる。⺟の悦⼦は、⻑崎で原爆を経験し、戦後イギリスに渡ってきていたが、ニキは⺟の過去を何ひとつ聞いたことがない。夫と⻑⼥を亡くし、想い出の詰まった家で1⼈暮らしていた悦⼦は、ニキと数⽇間を共にする中で、最近よく⾒るという、ある「夢」について語り始める。それは、まだ悦⼦が⻑崎で暮らしていた頃に知り合った、とある⼥性と、その幼い娘の夢だった……。
【作品詳細】
映画『遠い山なみの光』
公開時期:2025年夏
監督・脚本:⽯川慶
出演:広瀬すず
原作:「遠い⼭なみの光」カズオ・イシグロ/⼩野寺健訳(ハヤカワ⽂庫)