展覧会「生誕130年 武井武雄展 幻想の世界へようこそ」が、東京の目黒区美術館にて、2024年7月6日(土)から8月25日(日)まで開催される。その後、石川県立美術館、愛知の一宮市三岸節子記念美術館に巡回する。
子どものための芸術こそ本物の芸術でなければならないという考えのもと、大正時代から昭和時代にかけて幅広い分野で活躍した武井武雄(たけい たけお)。自ら発案した「童画」をひとつのジャンルとして確立することを目指した武井は、版画、刊本作品なども手がけている。「生誕130年 武井武雄展 幻想の世界へようこそ」展は、その豊富な創作を振り返る展覧会だ。
武井が活躍した大正時代は、日本で子どものための文化が開花した時代であった。たとえば、大正7年(1918年)には児童雑誌『赤い鳥』が創刊され、伝承された昔話や民話のみならず、これらをもとに創作された物語、そしてまったく新しい創作童話が発表されている。しかし、当時の出版物において、挿絵は物語の添え物として軽視されていた。こうしたなか、武井は「子どもの心にふれる絵」を目指して「童画」を発案し、これを芸術の域に高めようとしたのだった。
武井は、豊かな幻想世界を通して子どもたちに夢を与える「童画」を発表するばかりでなく、銅版画や木版画などの版画、装幀・函(はこ)・本文・絵から構成される刊本作品なども手がけた。また、教育者として活動するほか、郷土玩具収集も行い、郷土玩具を体系的に紹介する著作をも著している。
本展では、《星曜日》や《おやゆびひめ》といった童画、《鳥の連作 No.7》をはじめとする版画、刊本作品に加えて、原画類やデザインの仕事など、武井の多様な仕事を紹介。また、目黒会場では、武井と日本童画会とともに活躍した目黒ゆかりの作家・秋岡芳夫(あきおか よしお)の童画作品も展示する。
展覧会「生誕130年 武井武雄展 幻想の世界へようこそ」
会期:2024年7月6日(土)〜8月25日(日)
会場:目黒区美術館
住所:東京都目黒区目黒2-4-36
開館時間:10:00〜18:00(入館は17:30まで)
休館日:月曜日(7月15日(月・祝)、8月12日(月・振)は開館)、7月16日(火)、8月13日(火)
観覧料:一般 900円(700円)、高校生・大学生・65歳以上 700円(550円)、中学生以下 無料
※障がい者および付添者1名は無料
※( )内は20名以上の団体料金
※目黒区在住・在勤・在学者は団体料金(受付で証明書類を要提示。割引の併用不可)
■巡回情報
・石川会場
会期:2024年9月7日(土)〜10月6日(日)
会場:石川県立美術館(石川県金沢市出羽町2-1)
・愛知会場
会期:2024年10月12日(土)〜11月24日(日)
会場:一宮市三岸節子記念美術館(愛知県一宮市小信中島字郷南3147-1)
【問い合わせ先】
目黒区美術館
TEL:03-3714-1201(代表)