アンテプリマ(ANTEPRIMA)の2024-2025年秋冬コレクションが発表された。

デジタル時代をルーツに、エレガントな女性像へと昇華

「デジタルエレガンス(DIGITAL ELEGANCE)」をコンセプトに掲げた今季のアンテプリマ。光沢感のあるグレーのファブリックで統一されたファーストルック以降も、無彩色を取り入れたワンカラーやツートーンのスタイルが続き、無機質な印象の中に非現実的で優美な魅力を感じさせた。急速な技術の発展に伴い生まれたデジタル時代に対するネガティブなイメージを、洗練されたデザインによってポジティブなファッションへと昇華し、新たな女性像を提案しようと試みたのだ。

砂嵐が吹き荒れるような強い煌めき

特筆すべきデティールは、アンテプリマが得意とするグリッターやビーズなどの細やかな装飾。アイコニックなワイヤーバッグはもちろん、ワンピースやニット、アームカバーなどにも落とし込まれた。ブラック、グレー、ホワイトの機械的な色味のテキスタイルに施された装飾は、単なる輝きとは違う、メタリックで力強い存在感を放つ。歩みを進めるたびにうごめく光の粒はテレビノイズの砂嵐を彷彿させる一方で、混沌とした世界の中でも堂々と輝きを纏う、芯のある女性の姿を体現しているようだ。

エネルギッシュと優雅さの融合

エナメルのようなツヤを持つマテリアルは、ワイドパンツに採用されたほか、ジャケットや台形スカートの切り返しにも見られた。パンキッシュで活き活きとしたイメージをプラスしながらも、上品な光沢とシックなブラックでエレガントな雰囲気に押し上げている。光沢は、照明の当たり方によって液状のように姿を変え、捉えることができない無形の美を感じさせる。

洗練されたシルエットが見せる表情

シルエットは、ショルダーやスリーブ周りにボリュームをプラスしつつも、身体に寄り添い、上から下へ流れるかのような洗練されたラインが際立っていた。シャギーな質感のフリンジをあしらったウェアも散見され、地面へと垂直に落ちる線が、着る者の動きに合わせて豊かな表情を見せている。