アシードンクラウド(ASEEDONCLOUD)の2024年春夏コレクションを紹介。テーマは“junreika”。

鳥の歌声と旅に出る少女

木々が生い茂る島、“旅鳥の町”では、色鮮やかな鳥たちによる歌声が響き渡っていた。その島の修道院に住む少女は、大好きな鳥の歌声に敬意を表し、木々や鳥たちに日々祈りを捧げる。しかしある日、神のお告げにより修道士たちが島の木々を切り倒し、大きな祈りの場を作ると、行き場を失った鳥たちが島から姿を消してしまうのであった。そこで少女は海に出て、鳥の歌声を探す旅に出る。今季のアシードンクラウドは、そんな物語を着想源にコレクションを展開していく。

船乗りの服と巡礼服として

船に乗り込み海に出た少女が着る服として練られたものが、船乗りのコスチュームを彷彿とさせるジャケットだ。セーラーカラーを採用し、ゆったりとしたシルエットに。船上でもリラックスとした気持ちで過ごせるよう、また穏やかな気持ちで巡礼できるようデザインされている。

同じく少女が島々を巡る際、船上で着るドレスをイメージした1着にも注目。祈りを捧げる光景から着想を得て、刺し子と刺繍を組み合わせたオリジナル生地で、爽やかなチェック柄に仕上げている。まるでたすき掛けのような胸元のラインやリボンが印象的だ。

旅の道中で得た思い出を幾何学模様に

様々な幾何学模様を並べたジャケット＆スカートも目を惹く。鳥の歌声を探すべく小さな島々を回った少女が、旅の道中で出会った思い出をかき集めて表現した模様となっている。まるでキルトに見えるよう、立体感を出す織りの手法で仕上げた。

植物のプリント

アシードンクラウドが今季のモチーフとした物語において、少女や島の人々が大切にする木々、すなわち自然は重要な要素の1つ。植物崇拝の証として、葉っぱや蔦、花のプリントをシャツやワンピースに施した。なお、さらっと清潔感のあるコットンリネン素材を採用したワンピースは、修道士が着用するスモックをもとにデザインされたものだ。