日本ファッション・ウィーク推進機構(JFW)は、今後成長していくであろうインドとのファッション業界との連携強化のためインド大使館、経済産業省、日本貿易振興機構(JETRO)、インド国内の理解と支援のもと、インド国内の理解と支援のもと、JFW内に分科会を設け、日印両国の貿易、産業発展のための活動を行っていく。
「なぜインドかなのか?」 ‐ それはインドの文化や人々の美意識がキーとなる。
伝統的な技術や手法は現在でもインドに残っており、例えば刺繍などインドの職人による1点ものコレクションなど世界から高く評価され、このような分野では多くのオートクチュールのブランドから依頼を受けている。加えて日本同様に産地として世界に良質な衣服を制作している。
また、サリーなどに代表されるようにインドの人々は美意識が高く、女性は必ずジュエリーを身につけるという。ジュエリー産業が盛んで、それを象徴するように世界に出回るダイヤモンドの70%がインドで取引されたものだ。そしてそれに加えて、巨大なマーケットが存在している。日本の少子化問題とは相対するように、人口は増加し、数年後には中国の人口を抜く勢いだ。このような背景の中、インドは今、自国でデザイナーを育てる時期に入っているという。
「日本とインドには文化、ライフスタイルにおいて共通点があります。ただ、それにも関らずファッションにおける両国の協調関係、接点はほとんどない状況で、これを機会として、ファッション、テキスタイル、販売などさまざまな点で良い関係を築けるとよいと考えています。」と語るのはインフィニティ・クリエーションズのアテゥール・パレック氏。
今回、使節団として派遣されたのが「まとふ」、「ソマルタ」、「モトナリ オノ」のデザイナー。視察の中ではインドにおけるデザイン、制作工程における文化交流を実施しており、参加したデザイナーはさまざまな影響を受けたようだが「インドへの理解」が大切という認識は一致していた。
モトナリ オノの小野 原誠氏は、ファイナリストに選出されているMango Fashion Awardsの最終選考にはインドの刺繍などを取り入れて出したいと話しつつ「現地の文化や風習があり、そのような考えをしっかり理解しないと難しいと思いました。まずは、現地の文化に溶け込む必要性があると思います。」と語った。
まとふの関口氏は「セレクトショップでは、コンテンポラリーなデザインと一緒にサリー(かなり高級)が並ぶのを見て、伝統技術がそのまま発展して在り続けています。伝統技術がそのまま発展して存在しており、製品をもっていくというよりは、一緒にモノ作りができれば良いと実感しました。」と話した。堀畑氏は、インドのものづくりの観点を称賛しつつ「価格帯、ターゲット、ライフスタイルなどの理解がキーとなります。そして、向こうにない価値観を提示できるかが大切だと思います。」と話した。
ソマルタの廣川氏は「素材や技術への見識が高く、ニットを多く持って行ったのですがハイテクニットにに関しては特に興味を持ってもらえました。」とと話しつつ「日本のブランドが入るのには長い時間と知恵が必要だと思います。」と語った。
3ブランドはコレクションを持参、実際に現地のショップ関係者やメディア関係者へのプレゼンテーションを通して高く評価されたという。これがきっかけとなり、3ブランドは、もともとインドのジュエラー、デザイナーに限定していた「インド・インターナショナル・ジュエリーウィーク2010」に参加することが決定した。