簡単に脱ぎ履きできる快適性や、どんなコーディネートにもマッチする、上質でありながら素朴でぬくもりのあるデザイン性が人気を集めているモカシンシューズ。この記事では、クラークス オリジナルズ(Clarks Originals)やコンバース(CONVERSE)といった定番ブランドをはじめ、コラボレーションや注目のブランドなどから、2023年春夏のおすすめのモカシンシューズを紹介する。
「モカシン」は、元々インディアン(ネイティブアメリカン)が履いていた靴で、革一枚で作られた、スリップオン(結びひもや留め具がない)の足首までを覆う袋状の靴が由来。
アッパー部分を縫いとるものなど様々なものがあり、インディアンのモカシンは靴底はなかったが、欧州に伝わった際に欧州風にアレンジされ、現在のものとなった。グッチ(GUCCI)のビットモカシンが有名なものとして知られる。
しばしば「モカシン」と混同されるものに、「デッキシューズ(ボートシューズ)」と「ローファー」がある。そこで、ここではそれらの違いや特徴、見分け方について改めて紹介する。
インディアンが履いていたスリッポンシューズ(靴紐や金具がなく、脱ぎ履きしやすい)のうち、シューズの甲部がU字状に縫われている製法を“モカシン縫い”と呼び、そこからシューズ自体を指すようになったというのが定説。そのため、ローファーやデッキシューズであっても、その製法によってモカシンと呼ぶことができる。また近年ではモカシン縫いではないものの、そのシルエットが近しいものを便宜上「モカシン」と呼ぶことがある。
元々は、船の甲板(デッキ)で着用するための靴。そのため、ゴム底など、滑りにくいソールを備えているのが特徴。モカシン縫いのアッパーが主流ではあるが、あくまで“デッキ用の滑りにくいソールを搭載していること”がデッキシューズの定義であるため、モカシン縫いである必要はない。
ローファーとは、靴紐がないシューズのことを指す。製法に“モカシン縫い”を使用したものが多いので、しばしばモカシンと呼ばれる。誕生したのは1920年代のイギリスで、かつては英国王室や貴族階級の室内靴として重宝。その脱ぎ履きの楽さから、“怠け者”を意味する「ローファー」と名付けられた。様々なバリエーションが存在するが、素材はレザーが基本で、甲部分には“サドル”と呼ばれる飾りベルトが付属するのが一般的。
以上のように「モカシン」とは“製法”のことを指し、「デッキシューズ」は“甲板でも滑りにくいソールの有無”を、「ローファー」は“靴紐の有無”それぞれ指す。混同されがちな名称の異なる意味合いを分かっていただけただろうか。用途や目的に合わせて、最適なシューズ選びをしよう。
コンバース スケートボーディング(CONVERSE SKATEBOARDING)の「CS モカシン SK LE OX」は、アッパーにシボ感のある上質なレザーを採用た、スニーカーながら革靴のような雰囲気も漂う一足。踵には“シェブロン&スター(CHEVRON&STAR)”のロゴをエンボス加工であしらい、デザインにワンポイントを効かせている。カラーは、オフホワイトとブラックの2色を用意。
発売時期:2023年4月
フット・ザ・コーチャー(foot the coacher)から登場するのは、ボートシューズの普遍的なデザインをミニマルにアップデートしたシューズ「THE BOAT SHOES」 。その名の通りボートシューズがモチーフで、サイドのディテールやモカシンステッチなどのオリジナリティが映える一足に仕上げている。
発売日:2023年4月上旬
ビームス ライツ(BEAMS LIGHTS)が、 1934年にアイルランドで創業し、伝統的なハンドメイド技術に基づくシューズを手がけているパドモア&バーンズ(Padmore&Barnes)とコラボレーション。現在は展開されていない名作「ナタリー(NATALIE)」をベースに、ブラックとベージュのスエード素材、ゼブラ柄とブラックの表革とのコンビネーションによるハラコ素材でそれぞれアレンジを加えた。
発売時期:2023年4月下旬
ウォーボーン ウォーク(WOBURN WALK)は、トラディショナル、 モダンといった型にはまらない要素を取り込んだデザインで、英国・欧州生産のアイテムを発信するネペンテス ロンドン(NEPENTHES LONDON)のオリジナルブランド。
「QR モカシン」は、スエードアッパーにクレープソールを合わせたモカシンシューズ。英国伝統のフォルムをベースとしつつ、履き口には伸縮性ストリングとアジャスターを配し、機能的なディテールを加えた。また、弾力性のあるソールを採用し、足を包み込むような快適な履き心地に仕上げている。
発売日:2023年4月8日(土)
2022年に誕生したカンペール(CAMPER)のユニセックスレザーシューズ「ジャンクション」。シューズ先端に取り付けるラバーキャップが特徴的な、クラシックモカシンスタイルのレザーシューズだ。耐久性に優れた360度ステッチで結合したプレミアムレザーとラバーソールのアッパーに、アクセントカラーとなるラバーキャップを装着することで、プロテクション機能も追加。豊富なカラーバリエーションも魅力的。
クラークス オリジナルズ(Clarks Originals)のアーカイブコレクションから、ブランドを代表するモカシンシューズ「ワラビー」と、クラシカルな「ローファー」を融合させたメンズシューズ「ワラビーローファー」がデビュー当時のデザインのまま、復刻登場。フロントには、ローファーを思わせる“エプロンシーム”を配し、クラフト感たっぷりに仕上げた。なおカラーは、ブラックとメープルの2色を展開する。
発売日:2023年3月15日(水)
ビームス(BEAMS)による別注シューズのベースとなるのは、クラークス オリジナルズ(Clarks ORIGINALS)を代表するモカシンブーツ「ワラビーブーツ」。今回は、インナーに伸縮素材を採用することで、シューレースなしでも着用できるスリッポン仕様に仕上げつつ、「ワラビーブーツ」の快適な履き心地を向上させた。
発売日:2023年2月23日(木)