タカ・イシイギャラリーは、現代美術家ケリス・ウィン・エヴァンスの個展を、東京・赤坂の草月会館 石庭「天国」にて、2023年4月29日(土)まで開催する。
ケリス・ウィン・エヴァンスは、ネオンを使用した大型作品でよく知られるイギリス人の現代美術家だ。イサム・ノグチ作の石庭「天国」で開催される今回の個展では、マルセル・プルーストの小説『失われた時を求めて』の日本語訳の一部に基づく大型ネオン作品、床面から天井に達する光の柱作品、そしてクリスタルガラス製のフルートが自動演奏を行う立体作品を展示する。
エヴァンスは、物語や概念を他者に伝達する手段のうち、とりわけ文学や美術、哲学、物理学などに関心を寄せ、これらをテキストや記号、イメージ、光、音などを運ぶ器として捉えてきた。その作品においては、ある器に収められた物語を別の器へと移し替えることで、元の器では現れなかった物語の側面を析出することが試みられているといえる。
たとえば、本展で展示される大型ネオン作品《F=O=U=N=T=A=I=N》は、プルーストの『失われた時を求めて』第4篇「ソドムとゴモラ」の日本語訳の一部に基づくものだ。元来フランス語で書かれたプルーストの文章は、訳者によって日本語へと移しかえ、それをエヴァンスはネオンへと翻訳することで、作品を重層化しているのだ。
また、会場では、ゆっくりと明滅を繰り返す光の柱作品や、37本のクリスタルガラス製のフルートが呼吸をするように和音や不協和音を奏でる自動演奏作品《Composition for 37 flutes》を展開し、石庭「天国」をある種の舞台空間へと転換してゆく。
ケリス・ウィン・エヴァンス 個展
会期:2023年4月1日(土)〜29日(土)
会場:草月会館 1F 石庭「天国」
住所:東京都港区赤坂7-2-21
開場時間:10:00〜17:00
定休日:日曜日
特別協賛:ロエベ財団
■ケリス・ウィン・エヴァンス 個展
会期:2023年4月1日(土)〜28日(金)
会場:タカ・イシイギャラリー
住所:東京都港区六本木6-5-24 complex665 3F
【問い合わせ先】
タカ・イシイギャラリー
TEL:03-6434-7010