ケンゾー(KENZO)の2014-15年秋冬コレクションテーマは「MYSTERIOSO(ミステリオーソ)」。映画監督であり、音楽家であり、アーティストであるデヴィッド・リンチとコラボレーションしたランウェイショーを披露した。
現代の鬼才でありカルト的人気を誇るリンチがセットデザインと音楽を担当した今回のショーは、まるで愛、復讐、奇妙さ、ミステリアスさを掘り下げたオムニバスの映像のようで、クリエーションの世界に引き込まれていくような、ひとつの完成された作品に。
「ウンベルト、キャロル、そしてKENZOチームとのコラボレーションはとても楽しかったです。ショーに関しては、今まで見たことのないような、ミステリーとエモーションが共存したランウェイを作りたいと思いました」
―――デヴィッド・リンチ
コレクション自体にも、デヴィッド・リンチが過去に手がけた映画作品などの要素が濃く見て取れる。デヴィッド・リンチ監督映画『Wild at Heart(1990年)』のLulaの台詞は、モンスターモチーフのプリントや刺しゅうを散りばめたジャケット、木製の(!?)スカートとパンツ、メタル及びプラスチックのテクスチャーに落とし込まれた。
シルエットはボリュームのコンストラストが特徴。すらりとしたシルエットはハイウエストで強調され、フェミンなストラクチャーを描いている。ボリュームたっぷりの襟はさらりとウエストラインへと繋がるといったようなメンズコートを意識したスタイルも。パンツ&ジャケットスタイルの上からスカートをはいたレイヤードも印象的だ。
カラーはライムイエローやグリーン、パープルの濃淡、炎のようなオレンジといったカラーの組み合せで、毒々しさも感じさせる。今シーズンのプリントは2013-14年秋冬メンズコレクションにも見られた、ランドスケープからのインスピレーション。グラフィックを織り交ぜた複雑なヘリンボーンプリントも度々登場した。
アクセサリーはもメンズコレクションと同様、アメリカ北西部のスチールワーカーのユニフォームがインスピレーションに。セーフティブーツはポニーとラバーコーティングしたレザー、そしてコッパーとマットメタルのバックルといった装飾が。「Kali fornia」バッグは新たにトートサイズで、ニット、ウール、そしてモチーフがプリントされたキルテッドナイロンとバリエーション多く登場。ポシェットには、ナイロンとファートリミングで「FOREVER, NO?」というメッセージが刻まれている。