人工授精で、子どもを産むことが定着した世界。そこでは、夫婦間の性行為はタブーとされ 恋や性愛の対象は「家庭の外」の恋人か、二次元キャラというのが常識に。そんな世界で「両親が愛し合った末」に生まれた主人公・雨音は、母親に嫌悪を抱いていた。家庭に性愛を持ち込まない清潔な結婚生活を望み、夫以外のヒトやキャラクターと恋愛を重ねる雨音。だがその“正常”な日々は、夫と移住した実験都市・楽園(エデン)で一変する。
映画『消滅世界』は、「コンビニ人間」で知られる芥川賞作家・村田沙耶香の同名を実写化した作品。人工授精により子供を授かることが当たり前となり、夫婦間のセックスは近親相姦であるとタブー視されるようになった世界を描いている。なお、村田沙耶香の小説が映画化されるのは本作が初のこと。監督・脚本は、映像ディレクターの川村誠が務める。