アンダーカバー(UNDERCOVER)が、2014年2月26日(水)にパリファッションウィークで2014‐15年秋冬コレクションを発表した。真っ赤にライトアップされたボールルームのような会場は、天井から吊るされたシャンデリアがミステリアスに輝く。一気に照明が落ち、今季のショーが幕を開けた。
ダイナミックな音楽とともにカーテンの奥から現れたモデルたちは、キングやクイーンの王冠を揃って身に着ける。ファーストルックは、舞台幕のようなストールを巻き付けたスタイルが登場。モデルたちの顔は青白く、瞳は赤く光り、身に纏ったストールには何匹ものスパイダーがあしらわれているなど、何やら只ならぬ雰囲気でいっぱいだ。
途中からビョーク(Björk)のアルバム「バイオフィリア」のファーストトラック「ムーン」が流れ、神秘的なムードに包まれる。今シーズン幾度となく登場したのは、襷のような装飾がなされたアウターやトップスだ。イエロー×ライトブルーのスポーティな装いには、ブランドネームをあしらったであろう生地を胸元や脇下に貫通させ、ひらひらとなびかせる。
注目のイット・モデル、松岡モナがまとったカラフルな布地を巻き付けたライダースのほか、ドレッシーなトレンチコートやロング丈のブルゾンにも同様にファーの装飾がほどこされていた。
ラストは会場に粉雪が舞い、子守唄のようなメロディが流れる。白地に青の模様が描かれたドレス、プルオーバー、スカートは、まるで陶磁器のよう。お揃いでジップ付のケープや丸型クラッチなども展開された。モデルたちは、ライト付のリンゴのオブジェで光を照らしながら、会場を後にする。ときにダークな、ときにプレイフルなムードで展開されたコレクションは、まるで長い夢を見ていたかのようなファンタジーな世界観を演出した。