どこまでもエレガントなグレーの濃淡に、すっと差し込まれるライムグリーン。ジョルジオ アルマーニ(GIORGIO ARMANI)の2014-15年秋冬コレクションのテーマは「FADE TO GREY(グレーに向かう)」だ。
今季のコレクションは、個性的である事と心地よさは共存するという新しい概念を与えてくれる。すっきりとしたシェイプのウエストラインと、80年代によく見られる丸い肩のフォルムを持つジャケットは上品ながらユニークで新鮮な印象。また、多くのルックに登場するフランネル素材は極限まで柔らかく、まるでチュールの様に軽く仕上げられた。コレクション全体を通しても、包み込まれるようなソフトさと、印象的なシャープさが織り交ぜられているのが特徴だ。
軽やかに舞うヘアリーファーのニットやアウター、それから滑らかなシルクサテン、光を受けて輝くスパンコール。女性の体の動きを美しさを引き立てる素材づかいが、見る者をうっとりとさせる。ジオメトリックに表現された繊細な刺しゅうのイブニングドレスや、フランネル素材そのものに見えるようなプリントドレスなど、高度な技法を駆使し、華やぎと光のニュアンスを表現した。
光と影のニュアンスを操り、オートクチュールさながらの技法も散りばめて。これまでのアルマーニのスタイルを再解釈することで、モダニティと品格を兼ね備えたものとなった。