映画『ジュラシック・ワールド/新たなる支配者』でヒロインを演じるブライス・ダラス・ハワードにインタビューを実施。
巨匠・スティーヴン・スピルバーグが“恐竜に命を吹き込み”、1993年にスタートさせた『ジュラシック・パーク』シリーズ。その新しいチャプターとして2015年、主演にクリス・プラットとブライス・ダラス・ハワードを迎え、『ジュラシック・ワールド』が誕生。さらに2018年には続編として『ジュラシック・ワールド/炎の王国』が公開され、メガヒットを記録した。
今回公開される映画『ジュラシック・ワールド/新たなる支配者』は、そんな人気シリーズ最新作にして“完結編”の1作。約8年間にわたりヒロイン役を務めたブライス・ダラス・ハワードは、この壮大な物語のフィナーレをどう捉えているのか?シリーズを終えた今の心境から、クレアというキャラクターの魅力、“大の仲良し”クリス・プラットとの思い出まで、たっぷりと話を伺った。
■『ジュラシック・ワールド/新たなる支配者』はシリーズ約30年の歴史を締めくくる完結編となります。1つの時代の終わりを迎えた今、どのように感じていますか?
シリーズが無事にラストを迎えられたことを、まずはお祝いしたい気持ちです。実は、『ジュラシック・ワールド』シリーズが始まった当初から「シリーズ3作品できたらいいな」「ジュラシック・パークのレガシーキャストといつか仕事ができたらな」なんて思っていたんです。今回その願いが全て叶ったということもあって、完成した作品を観た時は興奮が止まりませんでした。
それと同時に、もちろん寂しさもあります。“本当にこれで終わりだ”と思うと悲しいし、ちょっぴりほろ苦い。今後私は、『ジュラシック・ワールド』のキャラクター達がすごく恋しくなるんじゃないかなと思います。
■本作で『ジュラシック・パーク』シリーズのレガシーキャストたちが再出演することは、大きな話題になっていましたよね。実際に彼らと演技をしてみてどうでしたか?
それはもう、本当に素晴らしい経験でした。皆さんの演技は達人の域で、持っている技術が半端ではない方たちなんです!
たとえば、イアン・マルコム役のジェフ・ゴールドブラムは、常に何か余分にセリフを用意していたのが印象的でした。演技に関するアイデアやジョークをメモに書き溜めておいて、いつでも引き出せるようにしておくんです。あれだけキャリアを積んだ役者でありながら、地道に努力をして、一生懸命に仕事と向き合っている姿には、本当に感銘を受けました。
アラン・グラント役のサム・ニールは遊び心があって笑わせてくれて、とにかく楽しい人。それでいてセクシーさも兼ね備えていているのだから凄いですよね。エリー・サトラー役のローラ・ダーンも素晴らしい方でした。彼女の繊細な演技は、見ているだけで勉強になりましたよ。
■ブライスさん演じるクレアは、シリーズで“最も変化したキャラクター”だと思います。3作品を通して、クレアの1番の魅力は何だと感じましたか?
自分が犯してしまった過ちを受け入れて、なんとかその間違いを正そうと行動するところがクレアの1番の魅力だと思います。彼女は、1作目ではパークの利益を最優先に考えるキャリアウーマンで、恐竜をビジネスに利用する立場でしたよね。ですが、それは“ありたくない自分”の姿だと気づき、変わろうと努力する。最終的に本作では、オーウェンのパートナー・メイジ―の母親的存在となり、恐竜を守る立場になっていました。
■クレアは“常に成長するヒロイン”でしたよね。
本当にそう思います。自分の失敗に気づき、そこから学びを得て成長する姿は、観客の皆さんにとっても模範となっていたのではないでしょうか。このように大きな作品の中でも、クレアは繊細で複雑で、深みのあるキャラクター。私自身、人生のロールモデルとなるような人物を演じられてとても誇らしかったです。
■主人公・オーウェン役を演じたクリス・プラットさんとは8年間タッグを組んでいますが、最初に出会った時の印象はいかがでしたか?
クリスは、初めて会ったその瞬間から疑う必要が全く無いような人でした。(笑) 面白くて頼れるお兄さんのような感じ、あるいは、ずっと守ってくれる保護者のような感じで。彼には、とても優しくてスイートな一面もありますしね!
■お互いの信頼関係というのは、やはり演技にも影響していますか?
もちろんです。どんな作品でもそうですが、特に『ジュラシック・ワールド』シリーズのようにアクションが多い作品は、撮影にリスクが伴うので、パートナーを信頼するということがとても大事なんです。クリスといる時は、“彼は何があっても私のためにいてくれる”という安心感に包まれていましたが、そんな風に感じられるのは当たり前ではないでしょう? だから、彼とこの作品で一緒に演技ができたのはこの上なく幸せなことでした。
■お2人の仲の良さが本当に伝わります! クリスさんとの思い出の中で、1番印象に残っている出来事を教えてください。
1作目『ジュラシック・ワールド』のラストに、2人が一緒に歩いて去っていくシーンがあるのですが、その一場面がすごく記憶に残っています。歩きながら私は、「本当にこの時間がこのまま続いていけばいいな。2人の関係性も別れることなく続けばいいな。」と思っていて。「お互い、生き延びるために一緒にいよう」という内容のセリフとも重なって、とても印象深いです。
…でも正直、クリスとはあまりにも多くのことを一緒に経験したので、思い出を1つに絞ることは難しいです。本当に危険で怖い出来事に直面したこともあれば、トレーラーでダンスパーティーをしたこともありましたし。(笑) お互い結婚をしたり、子供が生まれたりと、私生活でも色んな出来事があったので。