プラダ(PRADA)は、2022-23年秋冬メンズコレクションを発表。
ミウッチャ・プラダとラフ・シモンズによる2022-23年秋冬コレクションでは、「BODY OF WORK」をテーマに“労働”にフォーカス。理想や空想を描くファッションショーという特有な美的空間の中で、現実世界や実用、労働の意義を見つめ、価値を称えている。
ランウェイには、ジェフ・ゴールドブラム、カイル・マクラクランをはじめ、トーマス・ブロディ=サングスター、エイサ・バターフィールド、ダムソン・イドリス、トム・メルシエ、ジェイデン・マイケル、ルイス・パートリッジ、アシュトン・サンダース、フィリッポ・スコッティら、世界的に活躍する10名の俳優が登場。
現実を解釈し、役柄を表現することを通して真実を伝達する役割を果たす俳優たちをフィーチャーすることで、ランウェイという場を、誇張された現実を表現する舞台に見立てている。
デザインにおいては、日常に存在する普遍的な価値や実用性と、エレガンスや洗練された表現といった2つの領域を相互に関連させ、融合させている。ヒエラルキーやカテゴライズを離れてそれぞれの領域の価値を等しく称賛し、同時に引き立てているのが印象的だ。
実用主義や労働を象徴するユニフォームには、艶やかなシルクテックや上質なレザーを採用し、リュクスな佇まいに。シアーなフラワープリントのジャンプスーツや、光沢を放つレザー素材のワークジャケット、ボンバージャケットなどが登場している。中でも、パステルブルーやピンクに彩られたワークウェアのセットアップ、ライトグリーンのレザージャンプスーツ、真っ赤なボンバージャケットなど、ブライトな色に彩られたピースが目を引いた。
また、素材だけでなく、フォーマルなテーラリングをワークウェアやデイリーウェアに落とし込んでいる点にも注目したい。ワークジャケットとテーラードジャケットには、いずれもサルトリアルな構造を採用することで、等しく凛とした装いを演出している。また、ニットやフーディー、ボンバージャケットといったカジュアルなアイテムにも端正なパターンメイキングを採用し、優雅さをプラス。カジュアルなアイテムが従来持つ文脈や意義はそのままに、フォーマルなスタイルとして提示している。
加えて、肩やアームを強調した構築的なシルエットも今季の特徴だ。ワークジャケットやチェスターコートの肩は極端に大きく仕立てられる一方で、ウエストを細く仕立てたり、ベルトを施すことでシルエットに緩急をつけ身体性を際立たせている。また、コートの袖や裾にはふんわりとした起毛感のフェイクファーがあしらわれ、特有のフォルムをより一層誇張させた。