シャネル(CHANEL)の2022年春夏 プレタポルテ コレクションで、クリエイティブ ディレクターのヴィルジニー ヴィアールは、フラッシュが瞬く中をモデルが闊歩する、1980年代のランウェイを思い起こした。あの場に溢れる高揚感を、当時を懐かしむと同時に今季のショーに蘇らせた。
カメラマンたちが熱視線を送る、ライブ感に溢れたランウェイでは、リゾート感溢れるスウィムウェアからシャネルスーツまでが登場する。そんな中で、まず目に留まるのはエレガンスを象徴するシャネルのブラック、またはホワイトのスウィムウェアだ。スポーティーなスウィムウェアには、大振りのジュエリーを重ね付け、ウェストマークとしてチェーンベルトをあしらい、フィッシュネットのスカートで軽快な女性らしさを添える。
続けてゴールドやラメ、スパンコールがラグジュアリーな煌めきを加え、ビッグシルエットのジャケットやノーカラーのマニッシュなスーツは、あえてインナーを合わせることなく、ノンシャランなムードで提案された。
マリン風のストライプ、風をはらむシフォン、シアーな素材のレイヤード……リラクシングなロングドレスやラッフルの重なるブラウスは、モデルたちの足取りをより軽やかにする。クロシェ編みやマルチカラーボーダーのミニドレス、シェブロンストライプのセットアップは、夏の訪れに向けた気持ちの高揚を表すかのようだ。
パステルカラーのピンクやパープルには、“CCマーク”やツイードが採用され、シャネルのアイコンを象徴するルックとして登場している。“CCマーク”が潜むモノトーンのストライプは、今季のポジティブなムードを助長した。
ランウェイのラストは、カラフルな蝶の羽が描かれたブラック シフォンのスタイルによって締めくくられた。空を舞う蝶のように可憐に動くシフォンのドレープは、ロマンティックな一面をのぞかせると同時に、一瞬一瞬で異なる表情を見せ、見る者たちの視線をくぎ付けにした。
手元にはブラック、ホワイト、ピンク、イエローなど様々なカラーのキルティング バッグ、足元にはパイレーツシューズに着想を得たサンダルやポインテッドトゥのメリージェーンを提案。シャネルのアイコニックな香水「No5」を彷彿とさせる遊び心に満ちたバッグも登場している。