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松坂桃李&広瀬すずにインタビュー、“太陽のような役”を演じた映画『いのちの停車場』

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世代を超えた豪華キャストで紡ぐ、感動のヒューマン医療映画『いのちの停車場』が2021年5月21日(金)より公開される。「在宅医療」に携わる医者・患者そしてその家族たちを通して、“いのち”“愛”そして“いまを生きていく”家族たちの願いを丁寧に描き出す作品だ。

松坂桃李&広瀬すずにインタビュー

松坂桃李, 広瀬すず インタビュー|写真1

今回は、舞台となる金沢で在宅医療を行う「まほろば診療所」の運転手で医大卒業生の野呂聖二役を演じた松坂桃李と、看護師の星野麻世役を演じた広瀬すずにインタビューを実施。ドラマや映画、舞台などで活躍するふたりが、映画『いのちの停車場』にどのように向き合ったのか?撮影舞台裏やパーソナルな思い出についても、話を伺った。

“太陽のような存在”に

松坂桃李, 広瀬すず インタビュー|写真7

■映画『いのちの停車場』は、“いのち”をテーマに現代の医療制度や、それに関わる人々の実態を描いています。初めて台本を読んだ際、どのように感じましたか?

松坂:描写が非常にリアルで、現実世界でも実際に起こっているようなことが丁寧に描かれていて、“他人事”ではない感じがしました。特に、劇中のセリフにある「命のしまい方」という言葉が印象に残っています。人それぞれの命のしまい方があって、それぞれが美しく、儚く、尊いということを強く実感しました。

ネタバレになってしまうのではっきりとは言えませんが、他人から見たら非難を受けてしまうような選択も、命と真剣に向き合った結果に基づくものもあるということ。医療という現場の中で、全員にとっての“正解”というのは、難しいことを知りました。

広瀬:登場人物の<希望>がそれぞれ異なるため、今までは触れることのなかったリアルな医療の実態に戸惑いを感じました。またそういった意味でも、そこに中立に向き合う看護師の役柄にも、一種の覚悟を覚えました。

松坂桃李, 広瀬すず インタビュー|写真10

■終末期医療や安楽死など医療制度のタブーにも正面から向き合う作品でしたが、その中でおふたりは作品全体を明るく照らし出すような存在であったかと思います。実際に役作りには、どのように取り組みましたか?

松坂:吉永(小百合)さんや西田(敏行)さん、すずちゃんたちとお芝居をする中で、自分一人では気づけなかったところに気づかせてもらいながら、役を作り上げていきました。また、『いのちの停車場』は、命を扱う作品なので必然的にメッセージ性が強くなる。だからこそ、僕とすずちゃんは “太陽のような存在になってほしい”と監督からアドバイスをいただいていたのでそこはすごく大事にしましたね。

もちろん、僕が演じた野呂聖二も悩みを抱えた役ではありますが、そこを見せすぎてしまうと作品全体として重たい印象になってしまうので、なるべくカラッと明るい表現をして欲しいと言われていました。

広瀬:そうでしたね。私は、看護師として患者とどう向き合うべきか悩むことも多かったですが、監督からのアドバイスの元、重くなりすぎないようにフラットな気持ちで演じることを意識しました。監督は、イメージを丁寧に共有してくださる方でしたので、あまり自分自身の中で考えすぎずに、現場で監督から言われたことを大切にして演じていました。

松坂桃李, 広瀬すず インタビュー|写真4

■そんな作品を通じて、役者としての気付きは何かございましたか。

松坂:吉永さんの役との向き合われ方には役者としてはっとさせられました。劇中で、吉永さん演じる咲和子先生が診療所で使われるペンがあるのですが、撮影期間中はずっとそのペンを自宅に持ち帰って使われていたそうです。日常的に使うペンだからこそ、実際に書いてみて自分の手に馴染ませていたそうで。そんな見えないところまでのこだわりが素敵だなと思いました。

広瀬:私は吉永さんに抱きしめてもらうシーンがあるのですが、優しいのに力強い、今までに味わったことのないような心にぐっとくるハグで驚きました。セリフの言い方や表情など、見ている人にわかりやすく伝わる表現以外も洗練されていて、感情の出方や出ていくスピードが全然違うなと思いましたし、感動しました。

“大切な場所”や“救われた瞬間”とは?

松坂桃李, 広瀬すず インタビュー|写真5

■作品で登場した「まほろば診療所」は、おふたりが演じられた野呂聖二と星野麻世にとって大切な場所でした。おふたりご自身にとって「まほろば診療所」のように何度でも訪れたくなる大切な場所はありますか?

松坂:僕の実家は湘南にあるんですけれども、湘南の海にはよく訪れたくなりますね。海自体はそこまで綺麗ではないのですが(笑)、そこを含めて居心地が良いというか、リラックスができるので、1年に1回は必ず行っているかもしれないですね。

広瀬:私にとって大切な場所は鎌倉です。鎌倉も海がある場所ですね。

松坂:鎌倉、良いところですよね。

広瀬:そうなんです。初めて出演した映画が『海街diary』という鎌倉を舞台にした作品で、撮影のために1年位通っていました。今でも鎌倉を訪れると、女優を始めた当初のフレッシュな気持ちなど忘れかけていたことを思い出して、ちゃんとしようと思えるんです。エネルギーを貰えますし、良い気分になります。

松坂桃李, 広瀬すず インタビュー|写真6

■映画『いのちの停車場』では、誰かに救われながら強く生きていく人の姿が沢山描かれていたかと思います。おふたりご自身が“人生で最も救われたな”と思われた瞬間はいつですか?

松坂:映画『ツナグ』で初主演が決まった際、現場で初めて共演した樹木希林さんにいただいた一言です。当時、自分に与えられた大役と、その豪華なキャストに非常に緊張していました。

そんな時に希林さんに「松坂さん、ちょっと」と言われて。“絶対に怒られる…”って思いながら希林さんの元に行きました。そうしたら、「適当でいいのよ」とおっしゃってくだって。大女優さんが仰るその一言には重みがありましたし、考えすぎて思いつめていた当時の僕は凄く救われました。体が軽くなったというか、肩の荷が降りたというか…。その一言があったからこそ、肩肘張りすぎることもなく、現場を終えることができたなと思っています。

今でも初挑戦する役や主演などプレッシャーを感じて体が固くなってしまうことは多々ありますが、そんなときには希林さんからいただいた“適当でいい”という言葉を思い出して、肩の力を抜くようにしていますね。

松坂桃李, 広瀬すず インタビュー|写真3

広瀬:初主演繋がりですと、『学校のカイダン』で初めての連続ドラマの主演をさせていただいた際に、共演者の生瀬勝久さんに救われました。『学校のカイダン』は、(台本が)20ページ以上から成るシーンもある程、とにかく台詞量が多い作品で、中々台詞が頭に入らず一人で悩む日もあったんです。そんなときに、生瀬勝久さんが「一緒にやろう!」と声を掛けてくださいました。

松坂:生瀬さん、そんな感じなんですね。全然イメージが沸かない…。

広瀬:そうなんです。普段はよくお話しされる方ではなかったのですが、そのときはマンツーマンレッスンをしてくださって、「この台詞だけは相手の目を見てはっきりいいなさい」などアドバイスをしていただきました。また、長く説明する台詞は伝わりにくいということで、プロデューサーさんも呼んで一緒に台本を書き換えてくださることもありました。あの経験は未だに忘れられません。

松坂:凄いことだわ…。

広瀬:はい、凄く救われました。第1話のスピーチのシーンの前には、「一番伝えたいときはどこ見る?」と問いかけられて、「目です」と答えたら「そう!」って言われました(笑)。このように撮影スタート時からずっと気にかけてくださっていて、ドラマの打ち上げで「頑張った人は絶対に救われるから」と目を見て言われたときには、“かっこいい!”って思いましたね。

松坂
:素敵ですね。

松坂桃李, 広瀬すず インタビュー|写真13

■そんなドラマに映画に舞台に…と引っ張りだこなおふたりですが、実は本作品で初共演だったとか。同じ作品に出演されてみて、どのような印象を抱かれましたか。

松坂:非常に柔軟な方だなと思いました。

広瀬:同じことを思いました(笑)。

松坂:本当に頭の回転が早く、いろんな監督からお声が絶対掛かるなっていう素敵な感じが見受けられまして。ちょっとだけお話しさせていただいたときでも、凄く頭の回転が早い方なんだろうなと思いました。

広瀬:何でですか…こわい(笑)。

松坂:あと、本作の中で披露された井上陽水さんのモノマネが上手かった(笑)。

広瀬:ありがとうございます(笑)。

松坂:本読みのときは、スケジュール的に難しくて、すずちゃんいなかったんですよね。

広瀬:そうでした、たしか別のお仕事が入っていて。何かあったんですか?

松坂:あの時、本当に辛かったんですよ(笑)。台本には“何かモノマネをする”と書いてあったのですが、本読みだし飛ばしても良いかなと思って軽く構えていたんです。でも、直前に監督から「モノマネ、何かやってね」と言われて。錚々たる面々が集まる中で、“うわ…どうしよう”って思いながら一応やったんですけど、案の定、空気が凍りついて(笑)。正直、役どころではありませんでした。本当にあの場にいなくて良かったですよ。

広瀬:よかった(笑)。仕事が入っていてよかった。

【作品詳細】
映画『いのちの停車場』
公開時期:2021年5月21日(金)
監督:成島出
脚本:平松恵美子
キャスト:吉永小百合、松坂桃李、広瀬すず、南野陽子、柳葉敏郎、小池栄子、みなみらんぼう、泉谷しげる、石田ゆり子、田中泯、西田敏行
原作:南杏子「いのちの停車場」(幻冬舎)

<あらすじ>

東京の救命救急センターで働いていた、医師・白石咲和子(吉永小百合)は、ある事件の責任をとって退職し、実家の金沢に帰郷する。これまでひたむきに仕事に取り組んできた咲和⼦にとっては人生の分岐点。父(田中泯)と暮らしながら「まほろば診療所」で在宅医師として再出発をする。院長の仙川徹(西田敏行)と訪問看護師の星野麻世(広瀬すず)、東京から咲和⼦を追いかけてきた野呂(松坂桃李)と共に、咲和⼦は様々な事情から在宅医療を選び、治療が困難な患者たちと出会い⼾惑いながらも、まほろばのメンバーと共にいのちの⼀瞬の輝きに寄り添っていく。その時、最愛の⽗が倒れてしまい…。

■衣装クレジット
<松坂桃李>
ヘアメイク:髙橋幸一(Nestation)
スタイリスト:丸山晃

<広瀬すず>
・ブラウス 69,000円 / CYCLAS (YOUR SANCTUARY)
・スカート 89,000円/ CYCLAS (YOUR SANCTUARY)
問い合わせ先:TEL 03-6280-7712
・ピアス 120,000円(18YGxWhite Diamond) / AMI MASAMITSU

ヘアメイク:菅野綾香(ENISHI)
スタイリスト:上杉美雪(3rd)

©2021「いのちの停車場」製作委員会

Photos(13枚)

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