展覧会「新・晴れた日 篠山紀信」が、東京都写真美術館にて、2021年8月15日(日)まで開催される。なお、臨時休館に伴い休止していたが、6月1日(火)より再開する。
1960年代より活躍を続ける篠山紀信は、数多くの雑誌やグラビアを手がけ、写真家として時代をつくり出してきた。なかでも、1974年の雑誌『アサヒグラフ』での連載に基づく写真集『晴れた日』は、長嶋茂雄やオノ・ヨーコといった誰もが知る人物を散りばめつつも、昭和という時代における社会の動きを鋭敏かつ広範に捉えており、篠山の特徴を凝縮した1冊だといえる。
展覧会「新・晴れた日 篠山紀信」は、篠山の60年にわたる活動の全容を一望する初の大回顧展。写真集『晴れた日』を基軸に、二部構成で116点の作品を展示し、篠山がいかにして写真家の枠を超えた「時代の創造者」として広く知られるようになったのかを多角的に探る。
第1部は、1960年代から1970年代までの篠山の主要作品で構成。写真界で注目を集めた初期の代表作のひとつ〈誕生〉から、本展の核となる〈晴れた日〉、1976年のヴェネチア・ビエンナーレにも出品された〈家〉などを展示するとともに、「アイドル」という新しいジャンルの文化を生みだした雑誌『明星』の表紙の仕事も紹介する。
一方、第2部では、1980年代以降の作品にフォーカス。昭和のバブル経済以後、平成、そして令和に向かって急速な変化を遂げる東京の姿を捉えた〈TOKYO NUDE〉や〈人間関係〉、2011年の東日本大震災に触発され、4回にわたって被災地を訪れて撮影を行った〈ATOKATA〉、そして同時代を生きる人びとを撮影したシリーズも展示する。
「カメラマンは自分の生きている時代しか撮れないんだから、これはぼくにとって時代を複写していることにほかならないんです」──自身を「時代の並走者」と評する篠山はこう語る。1974年のさまざまな出来事を捉えた『晴れた日』と呼応するように、本展では篠山が写しだす「時代のドキュメント」を総覧するとともに、その独特の魅力にもふれることができそうだ。
展覧会「新・晴れた日 篠山紀信」
会期:2021年5月18日(火)〜8月15日(日)
※5月31日(月)までは、臨時休館につき開催を休止
※オンラインによる日時指定予約を開始(詳細は美術館ホームページを確認)
会場:東京都写真美術館 3階展示室(第1部)・2階展示室(第2部)
住所:東京都目黒区三田1-13-3 恵比寿ガーデンプレイス内
開館時間:10:00〜18:00(入館は閉館30分前まで)
※当面のあいだ木・金曜日の夜間開館は休止
休館日:月曜日(月曜日が祝休日の場合は開館、翌平日休館)、臨時休館期間
観覧料:共通チケット 一般 1,200円、学生 950円、中高生・65歳以上 600円
※第1部もしくは第2部のみ 一般 700円、学生 560円、中高生・65歳以上 350円
※内容は変更となる場合あり(最新情報は美術館ホームページを確認)
■篠山紀信 インタビュー映像(約30分、ループ上映)
篠山紀信の1970年代前半期までの、重要人物との「出会い」をテーマに、作品の誕生背景や撮影時の知られざるエピソードなどを紹介するインタビュー映像を上映。本展のみでの限定公開となる。
場所:展示会場(2階ロビー)
【問い合わせ先】
東京都写真美術館
TEL:03-3280-0099