ミーンズワイル(meanswhile)は、2021-22年秋冬コレクションを2021年3月18日(木)にオンライン形式で発表した。
着想源となったのは、産業革命以後のアートやデザイン業界の動き、そしてそこから生まれた1919年設立のバウハウス。ミーンズワイル デザイナーの藤崎尚大が100周年を迎えたバウハウスデッサウ校にいった際に見た、光に照らし出されたガラスのファサードや、街を彩る色彩がカラーパレットに落とし込まれている。
テーマには、“Form Follows Function , Function Follows Form”を掲げた。機能を追求した結果、ものの形が決定づけられる機能主義的な側面と、元々存在していた色や形、音といった形態の中に機能を見出していく側面の両軸を考察。2つの狭間を行き来しながらデザインを考案した。
印象的なのは、自然の風景に馴染むような穏やかな色彩だ。所々にリフレクターを配し、異なる質感の素材を切り替えたスウェットシャツとパンツはスモーキーなピンクベージュに彩られ、前合わせを紐で留めるシャツとハーフパンツには明るくも奥行きのあるブルーを採用。ライトグレーのムートンジャケットや、カーキのジャケット、ブラウンのパンツなど、砂や土のような色味も散見された。
中でも、表情豊かなタイダイのセットアップがアイキャッチ。不均一な色の濃淡によって彩られたシャツやパンツはゆったりと仕立てられており、流れるような布地に沿って柄の風合いがより際立っている。
ミーンズワイルらしいギミックをあしらったウェアにも注目したい。継続的に展開されているMA-1ジャケットは、フロントに走らせた2本のファスナーによって、前立てを取り外すことができる。脚の上をなぞるようにして大胆にファスナーを配したカーゴパンツを組み合わせ、無骨な佇まいを提示した。
加えて、立体的なポケットを複数配したベストや、サイドにベルトを配したベスト、立体感のあるシルエットに仕上げたジャケットなど、ミリタリー、アウトドア、ワークの雰囲気を感じさせるファンクショナルなウェアも登場している。オレンジのダウンジャケットには、中綿入りのケープをウェビングコードによって固定。パーツや素材の質感を見るとアクティブだが、緩やかな曲線を描くシルエットによって、洗練された雰囲気に仕上げている。