sacai(サカイ)の2021年春夏コレクションが、2020年10月7日(水)小田原・江之浦測候所で発表された。
sacaiが日本でコレクションを発表するのは、2017年にアンダーカバー(UNDERCOVER)と合同でショーを実施して以来3年振り。今回は、神奈川県小田原市にある、現代美術作家・杉本博司が設計した建築・江之浦測候所にて、ランウェイ形式で新たなコレクションを披露した。
ショー序盤から複数登場したのが、異素材をボーダーや格子状に組み合わせたデザインのピースたち。シースルーのジャケットやスカートなど、透け感を持ち合わせたアイテムは風にたなびき、軽やかな表情を見せる。
カラーパレットは、カーキやブラック、ホワイトなどをメインに、レッドやダスティーなピンクを追加。前シーズンと比較するとコレクション内での色彩のコントラストがやや強くなった印象だ。
“ハイブリッド”というsacaiの核を成す重要なキーワードは、今季も再構築というメソッドを通してコレクション全体に活きる。中でも目立ったのが、テーラードジャケットの要素を取り入れたアイテムたち。デニムジャケットやワンピース、スカートといった様々なアイテムが、テーラードジャケットを解体し組み立て直したような様相を呈していた。
MA-1をリビルドしたアイコニックなピースはランウェイの上でも存在感を発揮。胸元を大きく開いたMA-1とコマンドセーターのエッセンスを融合したワンピースは、センターに大胆にジップを配置し、エッジィなルックスに仕上げている。
また、ショーの中で一際目を引いたのが、イギリスのバンド・シャーデーのボーカル、 シャーデー・アデュのポートレートをフロントに配したTシャツだ。ショーBGMにも今回シャーデーの楽曲が起用されており、同バンドが今季のsacaiのクリエイションに影響を与えたことは間違いないだろう。