ジョン ローレンス サリバン(JOHN LAWRENCE SULLIVAN)は、2021年春夏コレクションを発表した。
コレクションを通してフォーカスしたのは“フェティシズム”。写真家ロバート・メイプルソープの洗練された世界観と、性を解放し剥き出しにした表現手法からインスピレーションを得ている。端正な仕立てのウェアに、フェティッシュさや異質さを感じさせるエッセンスを加えていくことで、静けさと激しさを同時に持ち合わせているような、アンビバレントな佇まいに仕上げた。
象徴的なのは、ボディピアスを布地に貫通させたディテール。身体の局部に貫通させるかのごとく、パンツのウエストの真下やハイネックの喉にあたる部分、胸元など布地表面の様々な箇所にボディピアスがあしらわれている。また、身頃の全面にボディピアスを配したカットソーも登場する。
さらに、Dカンを並べたステンカラーコートや、ボディピアスとともにスタッズを配したレザーパンツ、大ぶりなチェーンを用いたシルバーアクセサリーなど、金属を使ったピースが散見された。金属の硬さがもたらされることで、布地や身体といった柔らかいものとのコントラストが浮き彫りになっている。
変形可能なディテールもまた、身体性を強調する。上下どちらからでも着られるデザインのカットソーや、肩にファスナーを配したニットやブルゾン、着脱可能なショーツ一体型のトラウザーなど、変形させることで服地に空間が生まれ、その間から身体のラインやインナーを見せるようなデザインが印象的だ。
トレンチコートは前立てを重ねたデザインで、ボタンを外すと異なる表情に。青みがかった色味のホワイトデニムジャケットも、袖を取り外してベストのように着ることができる仕様になっている。
ロングブーツを使ったスタイリングも目を引く。ひざよりも短い丈のキュロットに、あえて無骨なレースアップのロングブーツを組み合わせたルックが登場する一方で、サイハイブーツの履き口がスカートに隠れるようなルックも登場。肌を「見せること」や「隠すこと」に対する意外性が提示されることで、身体へ注がれる意識を強めた。