NINA RICCI(ニナリッチ)が2013-14年秋冬コレクションをパリで発表した。Katia and Marielle Labèqueによるピアノの連弾でショーはスタート。
鍛錬を重ねたダンサーの身体のように、ニナリッチのドレスは確かなクオリティと職人の技術を持って表現された、完璧なフェミニティは観る者を感動させる。しなやかで繊細な動きがそのままフリルになったようなオーガンザ・ビスチェはアーティスティック。バレリーナのスカートやチュチュを思わせるプリーツを、フリルのようにデコレートしたイブニングは、フェミニンでエレガントだ。
随所にスポーティなニュアンスも見られる。レオタードを原型にしたモヘアニットのボディスーツ、タンクトップにオフショルダーのレイヤード、ヘアバンドは、バレリーナのウォーミングアップウェアのような印象を与えた。
歩くたびにふわふわと揺れる長いモヘアは優雅に、シルクサテンのドレープはセンシュアルに、それぞれの音色を奏でる。AラインのスカートやビッグサイズのフラップポケットのAラインパーカーはキュートでエフォートレス。ウエストラインを強調せず、切り替えの位置も低く落とした。
またブラック、レッド、オフホワイトに加え、ペールピンク、グレー、ベージュのカラーパレットは、着る人の肌の美しさを引き出す。知的で洗練された色合いをが選ばれている。ダンスの世界からインスピレーションを受けたモダニズムと、究極のフェミニティと出会いが作り出す美意識が観客を魅了した。