フランス発のフレグランスメゾン「ディプティック(diptyque)」は、メンズ・ウィメンズで使えるユニセックスフレグランスとしておしゃれな男女に人気。1961年のデビューから、これまでに40種類の香りをデザインし、香水(オードトワレ、オー ド パルファン)を発売してきた。
今回はディプティックにまつわる歴史にフォーカスを当て“きっと知らない”新しいディプティックの魅力を紹介する。
現在は、オードトワレやキャンドルなど、香りもので人気のディプティック。しかしスタート時、ディプティックは雑貨店として開業。創業者のデスモンド=ノックス・リット、クリスチャンヌ・ゴトロ、イヴ・クエロンがデザインしたプリント生地や壁紙に加えて、フランス国内外からセレクトしたユニークなオブジェや、海外で見つけた珍しい雑貨などを展開。今でいう“雑貨のセレクトショップ”としてスタートした。
珍しい品揃えから、当時パリでは新聞で取り上げれるほど“おしゃれなショップ”として話題に。いち早く英国フレグランスに目をつけ、当時のパリでは珍しかったペンハリガン(PENHALIGON'S)や、英国で最も古いフレグランス店フローリス(FLORIS)などを販売。香水のセレクトからもその審美眼の高さを知ることが出来る。
雑貨店としてスタートしたディプティックは、オープンから2年後の1963年初めてのキャンドルを発売。オベピン、カネル、テの3つのキャンドルにより、ディプティックのフレグランスラインはスタートした。
この「テ」の香りに使われたのが紅茶。実は、紅茶の香りをフレグランスとして取り入れたのは、ディプティックが世界初。伝統的なキャンドルのレシピをもとに、革新的な香り=紅茶の「テ」を世に送り出す。
3つのキャンドルに続いて、ディプティックは、ブランド初のオードトワレ「ロー(L’Eau)」を展開。シナモン、ローズ、ゼラニウムなどを組み合わせた「ロー(L’Eau)」は、今なお販売され続けている人気の香りだ。
実はこの初代フレグランス「ロー(L’Eau)」の名前は、ディプティックのオードトワレやオー ド パルファン全ての製品に隠されている。例えば、ロンブル ダン ロー(L’Ombre dans l’Eau)、フイロシコス(Philosykos )など、人気の香りにも「ロー(L’Eau)」という言葉または「オー」という発音が隠れている。
ディプティックのオードトワレ、キャンドルなど、全ての製品にあしらわれたオーバルのタグ。このオーバルモチーフは、18世紀のメダイヨンからとったもの。過去には、オリジナルテキスタイルとしてディプティックから販売されていたモチーフで、今ではブランドのアイコンとして全製品にあしらわれている。
香りの名前を一見読み取れないユニークな配列のレタリングも印象的だ。
キャンドル、オードトワレに続いて、ディプティックの香りの歴史から切っても切り離せないのが「ヴィネグル トワレ」。現代ではなかなか聞きなれないアイテムだが、肌にのせると肌の調子を整え、髪にのせればつやを与え、さらには、部屋の空気も浄化させることのできる万能アイテムだ。
植物、木、スパイスとナチュラルなものを厳選した、人にも環境にも優しい製品は、ブランド初のオードトワレ「ロー(L’Eau)」の誕生から4年後に登場した。