ザ ヴィリディアン(The Viridi-anne)は2020年春夏メンズコレクションを発表した。
今季のテーマは「インサイレンス(INSILENCE)」。ザ ヴィリディアンが求めたのは“静寂”を纏った服だ。ブランドの根幹である“黒”の色使いをベースに、現代の主流になっているグラフィックやロゴを多用するストリートスタイルに対抗するような、シンプルかつ洗練されたピースを展開していく。
これまでと同様に、コレクションを構成するアイテムの殆どを“黒”で構成。使われる他の色やパターンも数種類のみ。徹底的に無駄を排除することで静かで落ち着いた表情を生みだしていく。
本来、服を構成する要素を減らす過程で失われていくはずの個性だが、ザ ヴィリディアンはそれを巧みに素材やディテールで補填している。まるでレーヨンの様な質感のコットン生地のシャツや、袖口から脇に至るまでジップを配したレザージャケットはその好例だ。
黒が席巻する中で、ホワイト、グレーと並んでアクセントとなっているのがブルー。深くトーンダウンした色味でカットソーやレザージャケットに用いられた。その他、コレクションを彩るピースとして、スペインの画家であるパトリシア・マーチが描き下ろしたモチーフを配したシャツなどをラインナップする。
また、ブランドが重視しているのはルックスだけではない。散見されるスポーティーなウェアは、実際にアクティブなシーンで着用できるようにと機能面にも拘った。シースルーに見える、パッカブルのメッシュブルゾンには防水加工を施しており、手荷物に忍ばせておけば雨天時に活躍してくれる。
ギア感のあるマウンテンパーカーも目を惹く一着。止水ジッパーや腰部分のバックルなどハイスペックなディテールはデザインのアクセントにもなっている。