シーロン(SIIILON)は、2019-20年秋冬コレクションを、2019年3月23日(土)に、ポリゴン表参道で発表した。
アシードンクラウド(ASEEDONCLOUD)出身のデザイナー・Oyuiが手掛けるシーロンは、ヴィンテージをベースにフェミニンなウェアを展開するブランドだ。今季は“CHAIN”と題したコレクション。厳かでクラシカルなBGMとともに、シーロン初のショーは幕を開けた。
フリルや、ギャザーといったフェミニンな要素を思いっきり駆使したドレスやセットアップは、ブラックや赤のタータンチェックなどパンクなカラーリングによって影を帯び、わずかな毒々しさすら感じさせる。起毛感のあるタータンチェック地で仕立てたブラウスには、ゴシックな襟や、立体的なフリルを配し、インパクトのある雰囲気に仕上げている。
また、リボンで生地と生地を繋ぎ合わせるように仕立てたドレスや、立体的な花をあしらったニットカーディガンなど、愛らしくガーリーな要素を極端に際立たせたウェアも目を引いた。
ファーやベロア、モヘアといった柔らかな素材も散見された。淡いピンクのニットドレスやオレンジのファーコート、フューシャピンクのファースカートなど、ポップなムードを描き出す。加えて、装飾的な要素として用いられたオーガンザもロマンティックな雰囲気を演出。ブラックのドレスには部分使いでアクセントとして用いられ、妖精を模したルックでは、ふんわりとしたペプラムで華やかさをもたらしている。
目出し帽と組み合わせたカットソーには、テキストメッセージを無造作にプリント。装飾的でロマンティックなピースとは一転、ダークな雰囲気を漂わせる。ネグリジェに施されるような、ファンシーな花柄をプリントしたマスクとカットソーは、あえてのミスマッチ感がドリーミーかつキッチュな印象だ。
また、アンティーク調のレースを、袖や襟にふんだんに使用したブラウスは、スキャンダラスなレッドのストッキングとスタイリング。また、デフォルメされた骨の装飾をあしらったパーカーのボディスーツ、網タイツにファーコートを羽織ったルックなども、過激さや毒っぽさを主張し、序盤のガーリーな空気感とのコントラストを見せた。