どのような役作りをして臨んだのでしょうか。
役作りはほとんどしませんでした。中島かずきさんが手掛けた時代劇や舞台に出させてもらったことがあり、その中でガロみたいな語り口調は経験があって。そういう感じでやれるんじゃないかと話していました。なので、しゃべり口調はできあがってたので、あとはどれだけパワーを出せるかが課題。自分の持ってるパワーを声としてぶつけたんですが、それでもやっぱり、今の自分の身の丈以上のものがあって。アニメの持つ力に及びませんでしたね。
アニメの持つ力とはどのようなものでしょうか。
僕にとってアニメは、実写のドラマや映画より“引っ張られる”感覚がある。僕は声優の檜山修之さんの声が好き。すごくパワーがあるんですよ。パワーに引っ張られる感覚っていうのは僕にとってすごく大事。もともと根が暗くて、パワーが無いですからね、僕(笑)。絵の力はもちろんですが、声優として演じてみて、改めてアニメが持つ声の力を実感しました。
松山さんにとって、アニメで演じることの醍醐味は何でしょうか。
簡単に言えば、実写では恥ずかしいこともアニメだと言えること。例えば必殺技とか。時代劇も少し似てるんですけど、少し気後れしがちなセリフを堂々と言える環境で演じた経験が、役者としての演技にも活きている気がします。
具体的にはどのように演技に活きているのでしょうか。
僕は自然な演技が好きなんです。アニメっていうのはそれとは全く逆。だけどそれもすごく好き。自然な演技のようにすごく“弱いもの”と、アニメの極端な演出のようにすごく“強いもの”、どちらも知っているからこそバランスが取れて、すごく“弱い”演技ができる。この両極を知ることが重要なんです。
その他のメインキャラクターにも、堺雅人やケンドーコバヤシといった著名人の顔ぶれが揃う。気になる声優をチェックしながら、個性溢れるキャラクターの特徴も押さえてみて。
■その他メインキャラクター
クレイ・フォーサイト(声:堺雅人)
ガロの上司であり憧れの人。自治共和国プロメポリスの司法官で、フォーサイト財団理事長
ビアル・コロッサス(声:柚木涼香)
クレイ・フォーサイトの秘書。クレイと共に行動しており、受けた支持を的確に実行する。
ビニー(声:ケンドーコバヤシ)
国家救命消防局に住み着くヘルメットをかぶったネズミ。消防隊<バーニングレスキュー>のマスコット的存在。
デウ・プロメス博士ス(声:古田新太)
物語の重要な鍵を握る謎に包まれた科学者。国連調査団として長年<バーニッシュ>の研究をしている。
アニメーション制作を手掛けるクリエーター勢にも豪華な顔ぶれが揃った。キャラクターデザインは、ディズニー映画『ベイマックス』のコンセプトデザインを手掛けたコヤマシゲト。コヤマは過去に、「交響詩篇エウレカセブン」や「ヱヴァンゲリヲン」シリーズにも携わっており、2人が手掛けた「キルラキル」でもアートディレクターを務めていた。
また、音楽は「進撃の巨人」ほか数々のドラマ、アニメを手掛ける澤野弘之、美術監督は『メアリと魔女の花』の久保友孝、さらにタイトルロゴデザインを「ヱヴァンゲリヲン新劇場版」シリーズでパッケージデザインを務めた市古斉史、3DCGパートの制作は数多くの話題作を生み出したアニメ制作会社「サンジゲン」が手掛ける。
劇中の主題歌とエンディング主題歌は、Superflyが担当。自身初となる劇場アニメ主題歌「覚醒」は、本作をイメージしてSuperfly自らが書き下ろしたという。
「戦闘を煽るだけではなく、映画自体が人間味あふれる作品だと感じたので、人を傷つけるためではない、誰かを守るような戦いをイメージしています。かっこよさはもちろんのこと、メロディをコラージュしたような面白さもある、これまでのSuperflyの作品にはない、新しいものになったのではないかと思います。」と、楽曲に対する熱いコメントを寄せている。
【詳細】
『プロメア』
公開日:2019年5月24日(金)
原作:TRIGGER・中島かずき
監督:今石洋之 脚本:中島かずき
キャスト:松山ケンイチ、早乙女太一 、堺 雅人、ケンドーコバヤシ、古田新太、佐倉綾音、吉野裕行、稲田徹、新谷真弓、小山力也、小清水亜美、楠大典、檜山修之、小西克幸、柚木涼香
キャラクターデザイン:コヤマシゲト
美術:でほぎゃらりー
美術監督:久保友孝
色彩設計:垣田由紀子
3DCG制作:サンジゲン
3Dディレクター:石川真平
撮影監督:池田新助
編集:植松淳一
音楽:澤野弘之
音響監督:えびなやすのり
タイトルロゴデザイン:市古斉史
アニメーション制作:TRIGGER
製作:XFLAG
配給:東宝映像事業部